DISEASE DETAILS 疾患一覧
首の痛み
テレワーク症候群
テレワーク症候群とは
その名の通り、コロナウイルスの蔓延でテレワークが主流になったことから増加している疾患概念です。首のだるさ、頑固な肩こり、腰痛、頭痛、吐き気、体が重だるいという症状が出ます。
テレワーク症候群の原因
仕事などで長時間悪い姿勢をとり続けることによって体に負担がかかり、筋肉の血流が悪くなることが原因と考えられています。また目線や高さのあっていないデスクや、地べたでのパソコン作業も要因となります。さらに在宅だと、職場よりも動かなくなるのでより筋肉の血流不全を生じやすく、筋肉が硬直しやすくなると考えられます。
ここ数年、コロナウイルスの流行でテレワークが主流となったことが原因で首の痛み、肩こり、腰痛を訴える方が急増しています。非特異的(はっきりした原因がない)であることが多く、運動不足、姿勢異常、作業による精神的ストレスなどの因子が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
テレワーク症候群の症状
頸部(首)・肩・腕にかけて筋肉のこり、痛み、しびれがでます
頭から頸の筋肉の緊張によって頭痛がすることもあります
テレワーク症候群の検査
- 身体診察
- レントゲン
- 必要に応じてMRIや電気生理学的検査
レントゲンやMRIではあきらかな異常が認められないことが多く、問診と身体診察から診断に至ることが多いと考えられます。
テレワーク症候群の治療
疼痛が強い急性期には薬物療法(抗炎症薬)や外用薬の処方が効果的です
しかし薬物療法よりも、就労・日常生活の環境改善(睡眠時間や休憩時間の確保)、仕事や日常生活の指導(作業中にストレッチや適度な運動を取り入れる、目線の高さに合うPCを使用する)、頸肩腕部の運動・理学療法(頚・肩・上肢の筋肉のストレッチ、リラクゼーション、血液循環回復を目的とした体操)などの取り組みのほうが重要です。
機械を用いて行う物理療法(ホットパック、頚部牽引、低周波療法)も有効です
運動療法(水泳などの主に上肢を使うスポーツ活動)などの生活指導や運動・リハビリテーションは再発防止にも有効と考えられています。
血流が悪くなった筋肉は痛みを感じやすくなることが知られているため、投薬や理学療法、物理療法で症状が和らいだら、再発防止のために定期的な運動を行うことが推奨されます。

先生から一言
薬も良いですが、ご自身の生活環境や運動習慣など、患者さま自身が積極的に行う治療のほうがより重要です。
特に症状が長引いてくると、完全に治ることを目標にして挫折しがちです。
まずはより身近な目標(日常生活動作改善)を立てて、徐々に達成しながら治療に取り組んでもらうことが重要です。