DISEASE DETAILS 疾患一覧
けが(外傷)
ターフトー(Turf Toe)
足の親指の付け根の関節(母趾のMTP関節)の伸展強制により生じる、MTP関節底側の複合体の損傷です。
ターフトー(Turf Toe)の原因
人工芝でプレーし、急加速、ジャンプやカッティングなどの動作が多いサッカー、アメリカンフットボール、ラグビーなどで発生することが多いといわれています。
ターフトー(Turf Toe)の症状
患部を押すと痛い、母趾の付け根に体重をかけると痛い、母趾を反らすと痛いなどの症状があります。
母趾MTP関節に腫れ、熱感を伴います。
ターフトー(Turf Toe)の検査
受傷機転、圧痛の部位を確認します。母趾を背屈強制すると強い痛みが誘発されます。またレントゲン検査、必要に応じてMRIを行います。X線でのアンダーソン分類が参考になります。
ターフトーのAnderson分類:
GradeⅠ:MTP関節底側の捻挫、荷重可能、レントゲン所見は正常
GradeⅡ:plantar plateや関節包の部分損傷、荷重困難、可動域制限、レントゲン所見は正常
GradeⅢ:複合体の完全断裂、Vertical Lachman陽性、レントゲン所見では基節部や種子骨の剥離骨折
ターフトー(Turf Toe)の治療
運動を休止し、局所の安静やアイシングを行います。疼痛の強さに応じて、鎮痛薬を使用します。
Anderson分類におけるGradeⅠとⅡは保存療法のみで治療可能です
GradeⅠの場合は3~5日安静とし、腫脹が落ち着いたら軽度屈曲位でのテーピングやシーネでの固定を行い、底の固い靴を着用するようになります。
GradeⅡは安静期間を2週間とし、その後はGradeⅠと同様に加療を行います。
リハビリテーションは、腫脹が収まった時点で早期に可動域訓練を開始し、痛みが収まったらランニング、プッシュオフ、ジャンプ、ピボット動作などを開始します。
GradeⅢの場合も多くが保存加療で治療可能ですが、MTP関節軽度屈曲位での母趾を含んだギプス固定を行い、固定期間は症状に応じて4~6週間とします。
固定除去後よりリハビリテーションにて可動域拡大、足趾筋力増強を図り、疼痛なく伸展可動域が50~60°を獲得できたら、通常のプレーに復帰になります。
保存治療で痛みが改善されない場合は手術を検討します。
参考文献)
・足の専門医はこう見立てる.