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あし(下肢) の痛み・しびれ
内反小趾(Bunionette)
内反小趾(Tailor’s Bunion, Bunionette)とは
足の小指(第5趾)がMTP関節で母趾側に曲がることです。バニオネット(bunionette)、もしくは「Tailr’s bunion」=仕立て屋の外反母趾と言われます。「足の小指の外の骨の異常」と考えるとわかりやすいでしょう。
内反小趾の原因
第5中足骨の骨形態と前足部の軟部組織の不均衝が要因と考えられていますが不明な点も多いです。
外反母趾によく合併します。足の構造の遺伝的な要素もあると考えられています。つま先が狭い靴を履くことで悪化し、絶えず摩擦や圧力が加わることがリスク因子となります。
内反小趾の症状
第5趾MTP関節外側が腫れ、疼痛を生じます。外反母趾と同様に、歩行時の踏み込み、長時間の歩行、つま先立ち、ヒールの高い靴を履くことで症状が悪化します。つま先の細い靴を履いた時の摩擦が加わると、皮膚の下の軟部組織が刺激され、強い炎症を引き起こします。
内反小趾の検査
内反小趾の進行状態を確認するために、足のX線検査を行います。足趾の変形の程度と偏平足の合併を評価します。内反小趾角は14°以内、M4/5角は8°以内が正常です。
内反小趾の治療
以下のような治療があります。
・靴の調整:つま先が広い靴を選び、先が尖った靴やハイヒールの靴は避けましょう
・内反小趾の悪化を予防するリハビリテーション
・パッド:外反小趾パッドを該当部位に貼ることで、痛みを軽減することができます
・抗炎症薬:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が有効で鎮痛、抗炎症作用があります
・アイシング:氷嚢を使用して痛みと炎症を軽減します。凍傷を避けるため、氷を直接皮膚に当てるのではなく、薄いタオルで包んでください。
・注射:関節周囲の炎症を治療するために、コルチコステロイドの注射をおこないます。
・オーダーメードインソール:保険適応です。当院と提携している義肢装具士に作成を依頼します。
保存的療法で症状が改善しない場合は手術が検討されます。
参考文献)
・ American College of Foot and Ankle Surgeons, Tailor’s Bunion.