整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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DISEASE DETAILS 疾患一覧

手首・手指の痛み

デュピュイトラン拘縮

デュピュイトラン拘縮 (Dupuytren’s Contracture)は、手掌腱膜に生じる良性の線維増殖性疾患であり、手のひらにしこりができて、徐々に硬くなり、進行すると指が伸びなくなってきます。白人系人種に多い疾患ですが、日本人でも7~15%の発生率があるとされています。

家族内発生も多く報告されており、遺伝的素因の関与が示唆されています。遺伝性が認められる場合は、散発例に比べて発症年齢が若く、多指に及んだり、手掌以外(足底や陰茎)にも病変が現れたりする重症例が多い傾向にあります。

中指のデュピュイトラン拘縮(当院で撮影)
中指のデュピュイトラン拘縮(当院で撮影)

デュピュイトラン拘縮の症状

正常な手掌腱膜ではI型コラーゲンが主成分ですが、本疾患では進行に伴いIII型コラーゲン優位へと変化し、手のひらに小さなしこり(結節)や線状の硬結(索)が形成されます。これらの索が短縮することで手指の伸展が制限され、指間の狭小化や屈曲拘縮が生じ、日常生活動作に支障を来しますが、通常は疼痛を伴いません。

好発部位は手部尺側(薬指・小指)で、発生頻度は薬指、小指、中指の順に多く、母指・示指は比較的まれです。ただし、母指と示指の間に生じて指間距離が低下する場合もあります。

デュピュイトラン拘縮の原因

詳細な原因は不明ですが、家族歴、糖尿病、喫煙、てんかんなどが関連しているとされています。50歳代以降の男性や、北欧・北米の白人に多く発生し、黒人には稀です。

デュピュイトラン拘縮の検査

デュピュイトラン拘縮の検診断は主に臨床所見に基づいて行われます。初期には手掌に小さな結節ができ、徐々に線状の硬結(索)へと変化していく特徴的な経過が認められます。

本疾患に特異的な血液検査は存在せず、レントゲンなどの一般的な画像検査でも診断的な所見は得られません。MRI検査を行った場合には、T1・T2強調画像ともに低信号を示す構造物が皮下に認められますが、診断には必須ではありません。このため、診察時の視診と触診による臨床所見が診断の決め手となります。

デュピュイトラン拘縮の治療

デュピュイトラン拘縮の治療において、かつて使用されていたコラーゲン分解酵素(ザイヤフレックス)の注射薬は2020年以降供給が停止されたため、現在は手術療法が唯一の治療法となっています。

無症状で腫瘤があるのみの場合は治療の必要はなく、PIP関節やMP関節の伸展制限が30度未満であれば経過観察を行います。しかし、屈曲拘縮が30度を超える場合や、日常生活に支障をきたすようになった場合、また稀に痛みを伴う結節がある場合には手術適応となります。手術を行うタイミングに絶対的な基準はありませんが、動作に不自由を感じるようになったら検討します。

手術には大きく分けて二つの方法があります。一つは、軽症例を対象に、局所麻酔下で注射針を用いて拘縮索を切離する腱膜切離術です。この方法は指を伸展させることができますが、効果が一定せず再発や神経損傷のリスクがあります。もう一つは、全身麻酔下で病的な索と手掌の腱膜を可及的完全に切除する部分腱膜切除術です。この方法では神経や血管を損傷しないよう細心の注意が必要ですが、再発防止の観点から優れており、第一選択とされています。

参考文献)

・柿木良介.デュピュイトラン拘縮.日本医事新報.2023;(5189):44-45.

・山本美知郎.デュピュイトラン拘縮.日本医事新報.2025;(5260):48-49.

記事監修:曽我部 祐輔 医師 (三国ゆう整形外科 院長/日本整形外科学会認定 整形外科専門医)

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