DISEASE DETAILS 疾患一覧
あし(下肢) の痛み・しびれ
Morton病(モートン病)
Morton病(モートン病)とは
足のMTP関節と呼ばれる指の付け根の関節の痛み、足の指のしびれや放散痛を生じる疾患です。
特に第3、第4中足骨間の疼痛を生じやすいとされます。
Morton病(モートン病)の原因
ハイヒールや、先の幅が狭い靴が原因となります。ハイヒールはMTP関節を背屈(うえにそらす)させ、深横中足靭帯が底側趾神経を圧迫しやすくなります。生まれつきの要因として外反母趾など指の変形があげられます。
Morton病(モートン病)の症状
初期はMTP関節の歩行時の前足部痛として発症し、慢性化してくると足趾のしびれや放散痛を感じるようになります。安静にしていても痛みを感じることもあります。
Morton病(モートン病)の検査
レントゲンの正面、側面像を検査し、外反母趾などの形態異常がないか診断します。MTP関節の変形がないかも観察します。しびれの症状が強い場合は趾間神経の神経種(神経への刺激によって神経が膨れ上がることによる腫瘍)が生じている可能性があり、MRI検査を検討します。ただしMRI検査を行っても明瞭な神経種が認められず、本症の診断が難しいことがあります。
結局のところ、詳細な問診と身体診察が本症を診断するカギとなります。
Morton病(モートン病)治療
ハイヒールなどの幅の狭い靴が原因となっている場合は、つま先が広い靴を履くように生活指導を行います。靴の調整・選択はモートン病の治療において最も重要だと考えられます。外反母趾がベースにある場合は足底板(インソール)を使用して神経が圧迫されている部位の負担を軽減します。
生活指導を行ったうえで症状が残存する場合、局所麻酔薬とステロイドを混注したブロック注射を施行します。これらの保存加療でも改善しない場合、手術治療(神経種切除)を検討します。
先生から一言
Morton病は原因のわからない足部の疼痛として見過ごされていることが多い疾患です。
レントゲンを撮っても異常が見つからない前足部痛では本疾患を念頭に置いた詳細な身体診察が必要です。
長引く足部の症状があれば早めに受診して、治療を開始しましょう。