整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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こどもの整形外科

ブラント病(Blount 病)

ブラント病(Blount 病)とは

脛骨近位内側の成長障害によって小児O脚を呈する疾患です。下肢の内反、O脚変形の多くは生理的な変形であり、自然に矯正されるのであまり問題になりません。しかしBlount病、くる病(ビタミンD不足)などの整形外科的治療を必要とする病気もあります。しっかりと診断し、早期から装具による治療を行うことが後遺症を残さないためにも重要です。

ブラント病は、① 4歳未満の Infantile type ②4歳以上の Late onsetに分類されます。②のLate onsetはさらに10歳で「Juvenile type」「Adolescent type」に分類されます。一般に2歳前後のBlount病は医学的に問題がないとされる生理的内反膝と区別することが難しく、長期的なレントゲンフォローが必要となります。

ブラント病(Blount 病)の原因

本疾患の原因は明らかにはなっていません。遺伝的素因、早期歩行(早期に歩き始める子供はBlount病を発症しやすい)、肥満などの要因が指摘されています。

ブラント病(Blount 病)の原因

重要な鑑別疾患としてよく上げられる”くる病”はビタミンDの接種不足、日光不足が原因となり、詳細な問診、食生活や生活習慣のチェックが大切です。くる病はビタミンDの摂取不足を原因とするものは減少しており、「低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病」と言われる病型のものが増えてきています。1歳を過ぎたころから低身長、上肢、下肢の変形が目立ってきてご両親、幼稚園の検診で気づかれることが多いようです。治療は活性型ビタミンD投与などの投薬です。

ブラント病(Blount 病)の症状

O脚と膝関節の内反変形を認めます。

ブラント病(Blount病)の内反変形
ブラント病(Blount病)の内反変形 

参考画像)Controversies in Blount’s Disease:John G, et al

ブラント病(Blount 病)の検査

骨の形態評価のためのレントゲンが有用です。くる病などのO脚をきたすほかの疾患の除外のため、血液検査で血中のビタミンD、リン、カルシウム、ALP、副甲状腺ホルモンの測定を行います。

ブラント病(Blount 病)の治療

クリニックでの治療は難しい疾患です。疑った場合は速やかに小児整形外科専門ににご紹介いたします。当院からは、大阪公立大学病院、大阪市立総合医療センターへのご紹介となります。

まずは矯正装具による保存療法を行います。装具のみでは改善しない場合、また変形が進行する場合は矯正骨切り術という手術が必要となることがあります。

先生から一言

お子様のO脚はご両親のみならず、幼稚園や保育園の検診で気づかれることも多いようです。O脚は生理的なものが多く治療が必要ないことも多いのですが、ブラント病やくる病など治療が必要な疾患が隠れていることが稀にあります。早期に整形外科専門医の診察をうけ、問題のないO脚なのか、治療が必要な疾患であるのかしっかり診断・評価を受けることが後遺症を残さないためにも大切です。

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