整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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腰の痛み

脊椎圧迫骨折

こんな症状があれば受診してください
  • 転んだ・しりもちをついたあとから背中や腰が痛くい
  • 寝返り・起き上がる・立ち上がるなど体を起こす動きで痛む
  • レントゲンで「骨折はない」と言われたが腰が痛い
  • 最近、背中が丸くなってきた・身長が低くなった
  • 胸や腰のあたりの痛みが数週間たってもなかなか良くならない
  • 骨粗しょう症がある/以前に背骨を折ったことがある
  • 足のしびれ・動かしにくさ・尿が出にくいなどの神経症状

脊椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折(Vertebral Compression Fractures )は、背骨の骨(椎体)が押しつぶされるように折れてしまう骨折です。折れた場所によって胸椎圧迫骨折・腰椎圧迫骨折などと呼ばれます。転倒やしりもちといったはっきりしたきっかけで起こることがある一方で、骨粗しょう症で骨がとても弱くなっている方では、重い物を持ち上げたときや、強い咳・くしゃみ、場合によっては特に思い当たるケガがなくてもいつの間にか骨折を起こすことがあります。高齢の女性に多く、近年は高齢化にともない受診される方が増えています。

多くの圧迫骨折は2~3カ月で痛みが落ち着きますが、コルセットなどで適切に治療しても骨が完全にくっつかず、偽関節として痛みが残ることがあります。そのため、受傷直後から骨粗しょう症の有無も含めて慎重に経過をみることが大切です。

脊椎圧迫骨折は背骨が折れる骨折です

脊椎圧迫骨折の原因

  • 骨粗しょう症:高齢者、とくに閉経後の女性で骨密度が低下し、軽い転倒やしりもちでも骨折しやすくなる
  • 外傷:交通事故・転落・スポーツ外傷などの衝撃で起こる
  • 骨腫瘍・がんの骨転移:骨の構造が弱くなり、折れやすくなる
  • 長期のステロイド治療:薬の影響で骨がもろくなる
  • 生活習慣・体質など:運動不足、カルシウムやビタミンDの不足、喫煙、過度な飲酒などが骨を弱くする
椎体骨折には様々な原因がありますが、最大のリスクは骨粗しょう症です

脊椎圧迫骨折の症状

背骨、とくに胸椎と腰椎の境目あたりは圧迫骨折が起こりやすく、寝ている姿勢から起き上がるときや体を起こすときに強い背中・腰の痛みとして現れます。いったん立ってしまうと痛みがいくらか和らぎ、歩行はできることもありますが、この「動いたときだけズキッと痛む」体動時痛が骨粗しょう症のある方に起きた場合は、レントゲンで骨折がはっきり写っていなくても圧迫骨折を疑う必要があります。

時間の経過とともに動作時の痛みは軽くなっていきますが、骨が完全にくっつく前に無理をすると再び痛みが強くなることがあるため、治癒までの安静とコルセットなどによる保護が大切です。骨折がうまく癒合せず偽関節の状態になると、痛みが長く続いたり、背骨のつぶれで姿勢が前かがみになったり、背中が丸くなる・身長が低くなるといった変化が目立つようになります。まれに、つぶれた部分が神経の通り道を圧迫すると、脚のしびれや力の入りにくさ、排尿しづらさなどの神経症状を伴うことがあり、この場合は早めの詳しい検査と治療が必要です。

背骨の圧迫骨折によって曲がった腰は元に戻らないので年を取って見えるようになってしまいます。

脊椎圧迫骨折折の検査

まず胸腰椎のレントゲン検査で、どの椎体にどの程度の圧迫があるかを確認します。ただし、ごく軽い骨折や発症して間もない骨折はレントゲンだけでは分かりにくいことがあるため、可能であれば早期にMRIを行います。MRIでは骨の中の浮腫が写るため新鮮な骨折かどうかを判定しやすく、診断精度も高くなります。

圧迫骨折では多くの場合、椎体の前方がつぶれますが、中央のみがつぶれた軽いタイプでは症状が少なく自然に治ることもあります。一方で、後方まで骨折が及ぶと変形が強くなり痛みも強く、脊柱管側に骨が出っ張ると足のしびれや動かしにくさ、排尿がしづらいといった神経症状を伴うことがあります。時間がたってから背骨が大きく変形して遅れて麻痺が出る例もあるため、変形が強い場合は注意して経過をみます。骨の形をより詳しく把握したい場合や手術の要否を検討する場合にはCTを追加し、骨粗しょう症が背景にあるときは骨密度検査も行って、ドミノ骨折を予防する必要があります。

圧迫骨折によって腰が曲がると、見た目が変わるだけではなく遅発性まひなどの合併症が起こりうる

脊椎圧迫骨折の治療

圧迫骨折の一般的な治療は、初期の1~2週間を安静に過ごし、その後はコルセットを装着しつつリハビリテーションを進めるというものです。安静が長期化すると誤嚥、褥瘡(床ずれ)、膀胱炎といった合併症が発生しやすくなります。体勢を変えやすいベッドでの生活が推奨されます。

骨折は、背骨の椎体の後方部から回復を始めます。回復は個人によりますが、骨の形成が始まるのは概ね受傷後2週間ほどとされます。骨折部が完全に癒合するまで変形は進行し続けるため、X線検査で椎体がつぶれてこないかを定期的に確認する必要があります。

骨折が完全に治癒すれば、動きに伴う腰痛は消失します。安静に伴い背筋を中心とした体幹の筋肉が弱っているため、疲労しやすく、長期的な腰痛が続残る可能性があります。体を徐々に動かし慣れることが大切であり、同時にリハビリテーションを通じて筋力を強化することも重要です。特に背筋と腹筋の鍛錬は不可欠で、再度の転倒を防ぐためのバランス訓練も行います。

椎体圧迫骨折の治療と同時並行して、ドミノ骨折を予防するために骨粗鬆症の治療を行うことが大切です。骨粗鬆症の治療は、脊椎だけでなく、大腿骨や手関節など、他の部位の骨折予防にも有効です。

骨粗鬆症によるドミノ骨折を予防することが何より大切!

脊椎圧迫骨折の手術治療

骨折した椎体の内部に骨セメントを注入し、すぐに脊椎の安定化を図る椎体形成術(Kyphoplasty)があります。痛みをとる効果に優れ、欧米では圧迫骨折だけでなく、多発性骨髄腫に対しても行われます。まず骨折した脊椎の中にバルーンを挿入し、バルーンを膨らませて押しつぶされた脊椎を元の形に戻します。その後、脊椎の内部に骨セメントを注入するのです。

この手法のメリットは、手術直後からすばらしい痛みの軽減効果が得られること、骨折した脊椎の形を戻すことで背中が丸くなる変形(いわゆる猫背、医学的には「脊柱後彎」といいます)を治療できることです。

椎体形成術:折れた骨をバルーンで膨らませ、中にセメントを流し込んで骨を矯正します

参考文献など)

・© 2004–2023 Japanese Society for Fracture Repair

・菅原 亮:「脊椎圧迫骨折の病態」『整形外科看護』30巻7号,pp.640-643,2025年.

監修:三国ゆう整形外科 院長 曽我部 祐輔(整形外科専門医)

先生から一言

当院の外来では、椎体圧迫骨折は骨粗鬆症に伴って起こるものが多い印象です。骨折部の痛みが取れると、それでよいと考える人が多く、喉元過ぎれば熱さを忘れるといったところでしょうか。大切なのは骨粗鬆症の治療をしっかり行い、立て続けに起こるドミノ骨折をしっかり予防することです。当院では骨粗鬆症のガイドラインに準じた骨密度測定を行い、最も良いと考えられる治療を行います。

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