整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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骨粗鬆症

腰痛(非特異的腰痛症)

腰痛(非特異的腰痛)とは(ぎっくり腰を含む)

急に起こった強い腰の痛み(腰痛)のことを指します。

腰痛は国民生活基礎調査における自覚症状として男性で第1位、女性で第2位を占めます。

腰痛の生涯発症率は最大で80%にも上るとされ、かからない人のほうが少ない疾患といえます。

腰痛は人類にとって最も多い疾患と言われています!


ただのぎっくり腰だと思って放置されることも多いですが、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症による圧迫骨折(いつのまにか骨折も含む)、骨のがんなどの病気が隠れていることも少なくありません

ただのぎっくり腰と異なる危険な腰痛を見分けるサインとして 「Red Flag Sign」が有名です。

① 年齢が20歳以下または55歳以上

② 時間や活動性に関係のない腰痛

③ 胸部痛

④ 癌・ステロイド治療,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既往

⑤ 栄養不良

⑥ 体重減少

⑦ 広範囲に及ぶ神経症状

⑧ 構築性脊柱変形

⑨ 発熱

などが挙げられます

そのような場合、整骨院などで安易に施術を受けてしまうと悪化する危険性もあります

まずは整形外科の専門医の診察をお勧めします

腰痛の原因は非常に多彩で、内臓疾患も含まれる

© 齋藤 兄治. 急性腰痛症の鑑別と対処法

腰痛の原因

腰痛は原因によって特異的腰痛非特異的腰痛に分かれます。

腰痛の大部分は、脊椎の退行性変化以外の器質的病変が画像所見で指摘できない非特異的腰痛とされており、諸説ありますが腰痛全体の85%を占めるとされています。いわゆるぎっくり腰や筋・筋膜性腰痛、仙腸関節痛などが非特異的腰痛に含まれます。

胸腰椎圧迫骨折、腰椎椎間板ヘルニア、がんの骨転移、循環器疾患(解離性大動脈瘤)、泌尿器科疾患(尿路結石)などの原因による腰痛を特異的腰痛と呼び、レントゲンなどの検査は主にこれらを除外するために行います。ほかに重要なポイントとして腰痛が体の動きと関連しているかを聴取することも重要です。「体動で誘発される」腰痛は急性腰痛症や脊椎の変性疾患、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症をなどを想起させ、「体動で誘発されない」腰痛は尿管結石、大動脈解離などの内臓疾患を推測させる根拠となります。

整形外科的な筋肉、関節、椎間板の疼痛の原因になりうるものとして、重量物の運搬、打撲・捻挫などの外傷、姿勢の悪い座り方、前かがみでの姿勢をとる時間が長い(前かがみでスマホの触りすぎ)、加齢による椎間板の摩耗や関節の変形があげられます(下図参照)

重量物の運搬、けが、悪い姿勢、前かがみの姿勢、加齢による変性が腰痛の原因となる

© Causes of Back Pain and Treatment Options. By Jonathan Cluett, MD.

ぎっくり腰(急性腰痛症)の症状

強い腰の痛みによって動けなくなることもあります
一般的には1か月程度で改善を認め、3か月以内に90%は自然治癒します
長引く腰痛の裏に恐ろしい病気が隠れていることもあるため注意が必要で、「Red Flag Sign」を手掛かりに診察、精査を行います

特にご高齢の方はいつのまにか骨折が隠れていて、骨粗鬆症の検査治療が必要になることは珍しくありません

重大な疾患が隠れている兆候を示す「Red Flag Sign」

© 齋藤 兄治. 急性腰痛症の鑑別と対処法

ぎっくり腰(急性腰痛症)の検査

身体診察、レントゲン、血液検査

腰痛の原因として、背骨の関節、背骨の周りの筋肉、椎間板の損傷があると考えられています

しかし画像検査ではこれらの多くは写らないためほとんどの場合、腰痛の原因を特定することは

できません。従って骨折、がんの転移、感染症など他の重大な病気を除外することが検査の目的です

腰痛の原因を特定することは整形外科医でも難しい

ぎっくり腰(急性腰痛症)の治療

  • 生活、運動指導
  • リハビリテーション
  • ブロック注射
  • 物理療法
  • 投薬加療
  • 認知行動療法
  • ストレスの解消

急性腰痛と長く症状の続く慢性腰痛では使用する薬剤が異なります。急性腰痛ではNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)が第一選択薬として推奨されています。いわゆるロキソニンです。気安く薬局でも購入できるお薬なのですが副作用に注意を要する薬剤で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃腸障害、腎障害、アレルギーによる喘息発作の誘発などがあげられます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの胃腸障害の合併症が少ない類似薬としてCOX2選択的阻害剤、セレコキシブも有効です。

NSAIDsより合併症が少なく安全性の高い薬剤としてアセトアミノフェンがあります。妊婦や授乳期でも使用することができる薬剤で、特に高齢で合併症が出るリスクの高い方でも使用しやすい薬剤です。

第二選択薬として筋弛緩薬(チザニジン)も有効ですがNSAIDsに比べるとやや鎮痛効果が劣るとされます。特有の副作用として、眠気、ふらつき、脱力感などが挙げられる。とくに高齢の方の場合はふらついて転倒しないよう注意してもらう必要があります。

他の薬剤として、強い腰痛に対しては芍薬甘草湯も有効であるとする報告が散見されます。高齢の方や、消化器潰瘍の既往のある方、腎障害のある方に対してもロキソニンに比べると処方しやすい薬剤です。

欧米では抗不安薬やオピオイドといった麻薬も推奨されていますが、本邦では発祥まもない急性期からこれらの薬剤を使用することは推奨されていません。

腰痛は約1ヶ月で症状の改善が見られ、3ヶ月で90%の患者さんで自然治癒すると言われています。しかし、心理社会的因子、ストレスなどの様々な原因で症状が長引く例も少なからず存在します。そのような場合は骨折、悪性腫瘍、感染、他の血管、内臓疾患が隠れていないかを再度検討し、精査が必要になることもあります。

また特に長引く腰痛は精神的ストレスが関与している場合も多く、腰痛治療の一環としてストレス解消が有効です。

腰痛の再発予防に有効な治療は何と言ってもリハビリです!
腰痛の再発予防に有効な治療は何と言ってもリハビリです!

腰痛に対してはリハビリテーションが有効であり、疼痛の改善、再発の予防効果、生活の質の向上効果(QOL改善)があります。主に脊椎安定化運動、体幹の筋力強化運動をメインに行い、ストレッチング(関節モビライゼーション、関節マニピュレーション)を補助的に行います。

痛みの原因となっている筋肉、関節の場所を正確に把握し、疼痛を悪化させないよう留意しながら運動を行うためには高度な解剖学的知識、経験が必要です。当院では腰痛に精通したセラピストが多数在籍しており、質の高い理学療法をご提供できます。その違いを是非体感してみてください。腰痛に対するリハビリは保険診療です!

先生から一言

痛みに対しては投薬(抗炎症・鎮痛薬、外用薬(湿布や塗り薬)を用います。また物理療法(温めたり、低周波マッサージなど)の併用も有効です

痛みの強い部位には、薬剤を注射するトリガーポイント注射が効果的です
注射というと抵抗がある方が多いと思いますが、当科では細い針を使用することで注射の苦痛を最大限減らすよう心がけておりますのでご安心ください

腰痛の再発予防に有効な治療は何と言ってもリハビリで、保険診療で施術が受けられます!当院では腰痛に精通したセラピストが多数在籍しており、質の高い理学療法をご提供できます。その違いを是非体感してみてください。

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