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スポーツによる障害
イズリン病(Iselin Disease)
イズリン病(Iselin Disease)とは
第5中足骨基部の有痛性の骨端症です。イズラン病、イセリン病ともいわれます。骨端症とは「成長期の骨端線(成長線)閉鎖前に骨端核の無腐性壊死や異常骨化を生じる疾患」で、身体のさまざまな部位に発生する成長期に起こる疾患です。第5中足骨粗面の骨端核は、女児では9~11歳、男児では11~14歳の間に出現し、その後2~3年で消失します。
イズリン病の原因をわかりやすく言うと?
骨端症の概念はなじみがないと思いますが、「筋肉の力で成長線が繰り返し引っ張られることにより、いためてしまう」と考えるとわかりやすいでしょう。骨は成長線と呼ばれる部位から成長します。成長線は軟骨でできており、骨よりも軟らかく怪我をしやすいのです。
より医学的に表現すると、「第5中足骨粗面部に付着する短腓骨筋腱や小趾屈筋、小趾外転筋、足底腱膜外側束により骨端線に反復的な牽引力が加わり発症する」、となるでしょうか。
イセリン病は、8~13歳の間の身体活動が活発なこどもに多く、サッカー、バスケットボール、体操、ダンスなどアクティブなスポーツ活動がリスクとなります。
イズリン病の症状
第5中足骨基部周囲の圧痛があり、運動時に痛みが増悪します。腫脹や熱感が局所にないことが多く、あっても軽度です。サッカーやバスケットボールなど、ダッシュや切り返し動作で痛みが生じやすく、通常は明らかな外傷がなく発症しますが、捻挫後に生じることもあります。
イズリン病の検査
レントゲン検査で 骨や骨端線の異常を確認します。軟骨である成長線そのものをX線で確認することはできませんが、骨折などのほかの疾患を除外したり、骨端線の形の異常がみられることもあります。
イズリン病の治療
骨端核の異常があっても無症状であれば、そのまま経過観察となります。
症状があれば、まず運動の中止もしくは調整を行います。局所の安静やアイシングを行い、鎮痛薬の処方します。症状が強い場合は、一時的にギプスやシーネ固定を行います。靴の選択も重要で、フィット感の良い靴を選びましょう。アーチサポートなどのインソールも有効です。
痛みが減ってきた時点で、リハビリテーションを行い短腓骨筋腱ストレッチを行います。
参考文献)
・足の専門医はこう見立てる
先生から一言
イズリン病は予後良好な骨端症です。当院ではスポーツリハを専門とする理学療法士による運動療法を受けることができるので、怪我無くスポーツを続けたい方にお勧めしています。