整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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けが(外傷)

リスフラン関節損傷

リスフラン関節損傷とは

足の内側楔状骨と第2中足骨をつなぐリスフラン靱帯の損傷や、その周辺の脱臼や骨折です。交通事故などによる高エネルギー損傷と、スポーツなどによる低エネルギー損傷があります。

リスフラン靱帯損傷は、画像での変化がわずかで見逃されやすい損傷です。治療が不十分な場合、損傷が慢性化し、スポーツ活動などの支障になります。慢性化した損傷は、新鮮な損傷よりも治療困難になることが多いです。そのため、新鮮な損傷に対して、早期に正確な診断を行い、適切な治療を行うことが大切です。

中足骨の基部にあるのがリスフラン関節です

リスフラン関節損傷の原因

リスフラン関節の損傷は、足に軸圧の外力が加わることで多く発生します。裸足やそれに近い状況で行われる競技や、スパイクシューズを着用する競技で起こりやすいです。例えば、ジャンプや走行時につま先で着地に失敗したり、踵が上がっている状態で後ろから足に乗られたりした時に生じます。

リスフラン関節損傷の症状

足の甲の腫れと痛みが特徴的です。通常の捻挫よりも強い痛みを訴える場合が多く、踵を使っての歩行は可能でも、痛みによって前足部に体重をかけることが困難になります。損傷が足の裏側にも及ぶ場合は、足の甲だけでなく足の裏部分にも腫れや痛み、さらには皮下血腫が見られることがあります。

リスフラン関節損傷の身体所見

足関節を内に捻る一般的な捻挫とは異なり、足に軸圧方向の外力が加わって受傷し、足背の腫れと疼痛が見られ、前足部に体重をかけることが難しい状態であれば、リスフラン靱帯損傷を疑います。ダメージが強い場合には、リスフラン靱帯部だけでなく、より外側のリスフラン関節にも損傷が及びます。さらに損傷が底側靱帯にまで及ぶと、足底に出血斑と圧痛が見られます。

リスフラン関節損傷の画像検査

X線撮影でリスフラン靱帯損傷のような不安定性を評価するためには、荷重撮影が必要です。撮影時には、健康な方の足も一緒に撮影し、左右の差を評価します。荷重正面像では、第1と第2中足骨間の距離を測定し、その開き具合を確認します。荷重側面像では、内側楔状骨の下端と第5中足骨基部の距離を計測し、足のアーチの低下を評価します。

疼痛により十分に荷重をかけることができない場合は不安定性を過小評価してしまうことがあります。その場合は、X線像を定期的にチェックし、第1、2中足骨間の離開やリスフラン関節の形態に変化がないか確認することが大切です。

CTについても、左右の比較を行うために両側を撮影します。第1、2中足骨間および内側・中間楔状骨間の開大を評価し、骨折の有無も確認します。特に、底側靭帯付着部の剥離骨折(Fleck sign)が見られる場合は、不安定性が強い可能性が高いと考えられます。

リスフラン関節損傷の治療

Nunleyの分類は、リスフラン関節損傷を診断する際によく用いられ、損傷の程度に応じてStage Ⅰ〜Ⅲに分類されます。

Stage Ⅰでは、荷重時のX線像で転位が見られません。この段階では、背側靭帯の損傷があるかもしれませんが、不安定性は少なく、通常は保存的治療が適応されます。

Stage Ⅱでは、荷重時の正面X線像で第1、2中足骨間の離開が2mmから5mmの範囲ですが、荷重時の側面X線像ではアーチの低下は認められません。この段階では、不安定性が見られるため、手術が考慮されます。

Stage Ⅲでは、荷重時の正面X線像で第1、2中足骨間の離開が5mmより広く、荷重時の側面X線像でアーチの低下が見られます。また、内側楔状骨下端と第5中足骨基部の距離が健側より小さくなります。この段階での不安定性は強く、関節脱臼を伴うことが多いため、手術が必要とされます。

保存的治療では、損傷の程度に応じて安静度と安静期間を決め、2週間から6週間のギプス固定と免荷を行います。疼痛と腫脹が軽快したら、ギプスを外し、可動域訓練とアーチサポートの足底板を装着して荷重を再開します。荷重は踵から始め、疼痛の程度に応じて徐々に増やしていきます。片脚つま先立ちが疼痛なくできるようになったら、ジョギングから始め、徐々に活動性を高めていきます。

手術治療では、Stage Ⅱではかつて経皮的整復とスクリュー固定が行われていましたが、最近ではスーチャーボタンによる固定が良好な成績を報告されています。Stage Ⅲでは、関節脱臼を伴う強い不安定性が見られることが多く、観血的整復固定術が必要となります。

参考文献)

・整形外科看護 2023 vol.28 no.8

・整形外科 Surgical Technique Vol.12 No.4 2022

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