整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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あしの痛み・しびれ

内反小趾

内反小趾(Tailor’s Bunion, Bunionette)とは

足の小指(第5趾)がMTP関節(指の付け根の関節)で母趾(親指)側へ内反して曲がり、第5中足骨頭の外側部が外へ突出して種々の症状をきたす疾患です。「digitus minimus varus」とも表記されます。
バニオネット(bunionette)、もしくは「Tailor’s bunion(仕立て屋の外反母趾)」とも呼ばれ、「足の小指の骨の異常(小指版の外反母趾)」と考えるとわかりやすいでしょう。
内反小趾では、突出した骨の部分が靴などと擦れることで滑液包炎や胼胝(たこ)が形成され、時に強い疼痛を伴います。基本的には保存療法から開始しますが、保存療法に固執して手術療法の時期を逃すと、胼胝の部位に瘻孔(穴)が形成され、感染性関節炎に至ることもあるため、適切な治療法の選択が重要です。

内反小趾の原因

第5中足骨の骨形態と、前足部の軟部組織の不均衡が要因と考えられていますが、不明な点も多くあります。病因は主に外的因子、解剖学的・先天的(生体力学的)因子、そして二次的因子の3つに大別されます。外的因子としては、つま先のきつい靴を履くことで第5中足骨頭外側の圧が上昇することや、胡座位(あぐら)による足部外側への持続的な圧迫などが挙げられます。

解剖学的・先天的因子には、第5中足骨の外側への弯曲、小趾の先天的な底屈・背屈変形、小趾の過可動性による回内変形や亜脱臼、扁平足などが含まれます。また、中足骨頭外側の骨性隆起の増大や、第5 MTP関節外側の軟部組織の肥厚も原因となります。

さらに二次的因子として、関節リウマチや糖尿病、Charcot-Marie-Tooth病、二分脊椎などによる変形や知覚障害が影響します。これらの疾患が背景にある場合は、変形がそれほど重症でなくても潰瘍や感染などを引き起こすことがあるため注意が必要です。

内反小趾の症状

第5趾MTP関節外側の発赤や腫れ、疼痛を生じます。外反母趾と同様に、歩行時の踏み込み、長時間の歩行、つま先立ち、きつい靴やヒールの高い靴を履くことで症状が悪化します。つま先の細い靴を履いた時の摩擦が加わると、皮下の軟部組織が刺激され強い炎症を引き起こします。

身体所見として、第5中足骨頭の外側に滑液包(水が溜まった袋)を認めたり、骨頭の外側または足底側に有痛性の胼胝(たこ・魚の目)ができたりします。また、変形が進行すると第4趾(薬指)と重なり、それによる痛みや歩行障害が生じることもあります。

なお、関節リウマチに合併するケースでは、第5 MTP関節の脱臼を伴った関節内滑膜炎が認められる場合があることも特徴です。

内反小趾の検査

変形の程度や扁平足の合併などを正確に評価するため、荷重位(立った状態)での足の単純X線検査を行います。画像評価では「Fallatの分類(Type分類)」などが用いられ、主に2つの角度を測定して進行状態を確認します。

一つは第4中足骨軸と第5中足骨軸のなす角である「M4/5角(第4・第5中足骨角)」で、正常は8°以内とされており、Fallatらの報告では平均6.2°(3~11°)となっています。もう一つは第5中足骨軸と第5趾基節骨軸のなす角である「内反小趾角(第5中足趾節角)」であり、こちらは正常で14°以内とされています。

小趾の内反と亜脱臼を認める。強剛母趾も合併している

内反小趾の保存治療

治療は保存治療が第一選択となります。その中でも靴の調整(除圧)が最も重要であり、圧迫が症状を増悪させるため、つま先(toe box)が広く、柔らかい素材の靴を選択するよう指導します。発赤や腫脹などの強い炎症症状を伴う場合には、内服薬や外用薬といった消炎鎮痛薬を用いた薬物療法を行います。さらに、開張足に対する中足骨パッドや、有痛性胼胝部の除圧を目的としたアーチサポートタイプの足底挿板(インソール)を用いる装具療法も非常に有効です。

内反小趾の手術療法(基幹病院に紹介)

保存治療が無効な症例には手術治療が適応となります。X線検査でのType分類を考慮し、最適な術式が選択されます。

まず、中足骨頭のみが肥大しているType 1に対しては、第5中足骨頭外側顆切除術が良い適応となります。次に、中足骨頭下で骨切りし遠位部を内側へ移動して骨接合を行う第5中足骨遠位骨切り術には、distal chevron osteotomyやpercutaneous distal osteotomy、逆Mitchell法など様々な術式がありますが、第5 MTP関節の可動域制限や第5中足骨頭の壊死には注意が必要です。また、第5中足骨骨幹部骨切り術としては、骨幹部斜め骨切りやlongitudinal diaphyseal osteotomy、Scarf法などが代表的であり、比較的良好な術後成績が報告されています。最後に、第5中足骨近位骨切り術は、ドーム状骨切り(dome-shaped osteotomy)や楔状骨切りなどにより、第5中足骨の開大を根本から矯正するものです。矯正力が大きい一方で、偽関節のリスクといった骨癒合への不安視が懸念点として挙げられます。

内反小趾に対する骨切り術後のレントゲン写真
内反小趾に対する骨切り術後(当院から基幹病院にご紹介となったかたです)

記事監修:曽我部 祐輔 医師 (三国ゆう整形外科 院長/日本整形外科学会認定 整形外科専門医)

最終校正日:2026年8月6日

参考文献)

・ American College of Foot and Ankle Surgeons, Tailor’s Bunion.

・谷口晃, 田中康仁. 関節外科 32(1): 88-92, 2013.

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