DISEASE DETAILS 疾患一覧
膝の痛み
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは
膝のクッションである関節軟骨が加齢による長年の負荷によってすり減ってしまうことで、関節の痛み、炎症が起きたり関節の変形が進む病気です
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の主な原因ともなっています
変形性膝関節症は潜在患者数が2500万人を超えるとされており、男女比は1:3程度で女性に多い疾患です
変形性膝関節症の原因
明らかな原因がないもの(一次性)が大部分を占めるといわれます
病気やケガなど原因が明らかなものは「二次性変形性関節症」として分類されます
発症に関与する因子は、加齢、女性、肥満、筋肉の衰え、仕事やスポーツなどによる膝への過度な負担、遺伝性等があり、これらが複雑に絡み合って発症すると考えられます
骨折、関節リウマチに伴い発症することもあります
変形性膝関節症の症状
最初の症状としては椅子からの立ち上がり、歩き始めの膝の痛みです
初期は安静にすると痛みはよくなりますが、進行すると階段昇降や正座ができなくなったり、膝がピンと伸びなくなります。関節に水がたまったり、膝がO脚、X脚変形をきたしてきます。徐々に歩行距離も短くなってきます
良い時と悪い時を数カ月単位で繰り返す(波がある)のが特徴ですが、長期的には徐々に変形が進行します
変形性膝関節症の検査
- 身体診察
- レントゲン
- 血液検査
- 関節液検査
変形性膝関節症の治療
- 薬物療法(NSAIDs、湿布、軟膏など)
- ヒアルロン酸の関節内注射(日本整形外科学会によるガイドラインで推奨)
- 生活指導(減量、栄養指導)
- リハビリテーション(運動療法、物理療法)
- 装具療法
- 関節内注射
- 手術(骨切り術、人工関節)

先生から一言
膝関節の変形による疼痛は一朝一夕に改善することは難しいと考えられています
ヒアルロン酸の関節内注射、投薬も効果的ですが、何よりも重要なのは大腿四頭筋(ふとももの前面の筋肉)をはじめとした下肢の筋力訓練です。
膝周囲の筋肉をしっかり鍛えることで膝の関節にかかる負担を減らすことができ、長期的に疼痛を改善するとともに変形の進行も食い止めることができます
当院では生涯自分の足で歩くことを目標に、リハビリを中心とした集学的治療を行っています