整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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こどもの整形外科

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)とは

四肢の慢性疼痛を生じるまれな疾患です。無菌性骨髄炎と周囲の骨吸収像を認め、非細菌性骨髄炎が全身の骨組織に慢性・再発性・多発性に出現する病態と考えられています。CRMOには、掌蹠膿疱症・関節炎・尋常性乾癬・炎症性腸疾患など、他の炎症性疾患を合併する場合があります。CRMOは10歳前後の女児に多く発症することが知られています。

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)の原因

CRMOの病態生理として、自然免疫系の異常による炎症が示唆されています。CRMOは広義の自己炎症性疾患として扱われており、炎症性サイトカインである「IL-6」と「TNFα」が関与していると考えられていますが、詳細な病態は未解明です。CRMOは複数の遺伝的要因を背景として、感染や外傷などを契機に発症する疾患と考えられていますが、現時点で特定遺伝子との直接的な関連は証明されていません。またCRMOを主要病態とする遺伝性炎症疾患として、Majeed症候群とIL-1受容体アンタゴニスト欠損症が知られています。

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)の症状

典型的には、大腿骨や脛骨など長管骨の骨幹端に痛み、骨痛が生じ、緩やかに発症しますが、鎖骨や脊椎など全身の骨にも病変が現れることがあります。痛みは夜間から早朝にかけて強くなり、運動や寒冷暴露によって悪化する傾向があります。痛みがある部位に腫れや熱感が認められる場合もあります。発熱を伴う場合もありますが、全身状態はおおむね良好です。

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)の合併症

最も多い合併症は関節炎で、多くは骨病変に近接する関節に認められます。皮膚病変の合併も多く、掌蹠膿疱症、尋常性乾癬、Sweet症候群、壊疽性膿皮症などが認められます。炎症性腸疾患の合併も比較的多く、仙腸関節炎や硬化性胆管炎などの合併も報告されています。成人の報告が多いSAPHO症候群は、CRMOと炎症病態の一部を共有する疾患と捉えられています。

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)の検査

確立された診断手順は存在しませんが、CRMO診断の基本は他疾患の除外と非特異的な炎症の証明です。CRMOが疑われる症例にまず行うべき検査は単純X線検査です。ただし、典型例では骨硬化像や骨吸収像などを認めるものの、初期の病変はMRIのみで異常所見が認められることがあります。

単純X線検査では、長期間炎症を反復した部位に骨融解と骨硬化の混在する像を認めますが、病初期には異常を同定できないことがあります。病変は大腿骨・脛骨・上腕骨など長管骨の端を中心に認められますが、下顎骨や鎖骨内側の罹患も多く、脊椎や指骨・扁平骨など全ての骨格系に発症する可能性があります。

MRIは病変の描出に優れ、質的情報も得られるため有用です。重要なMRI所見は骨髄浮腫であり、これだけで白血病など骨髄増殖性疾患との鑑別がしやすくなります。MRI検査は発症初期より感度が高く、T1強調画像で低信号、T2強調およびSTIR画像で高信号を呈します。多発性病変の確認にはFDG-PETや骨シンチが有効ですが、取り込みが弱い場合もあります。病変の全身的な検索にはPETや骨シンチが有用ですが、感度は高くなく軽微な病変は見逃されることがあります。

画像検査による病変部位の確認の後、診断確定のための組織検査を行います。

CRMOに特異的な血液検査はなく、白血球数や赤沈、CRPなどの炎症反応は一般的には軽度の上昇にとどまる場合が多いとされます。血液検査における炎症反応の有無は診断には大きな意味を持ちませんが、重症度や活動性の判定に有用です。

CRMOと鑑別すべき疾患としては、感染症(非定型抗酸菌症など)、悪性疾患(白血病・骨腫瘍・Langerhans細胞組織球症など)、代謝性疾患(hypophosphatasiaなど)、原発性骨疾患(fibrodysplasia、Paget’s diseaseなど)が挙げられます。

慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)の治療

CRMOの治療方針は確立されていませんが、第一選択薬はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)です。過半数の症例に有効であると報告されており、これのみで寛解に至る症例もまれではありません。また、一剤が無効であっても他のNSAIDsへ変更することで効果が得られる場合があります。初発時の病変数が少ないほどNSAIDsへの反応が良いとも報告されています。

NSAIDsで十分な効果が得られない症例に対する追加治療として、現時点で一定の有効性が示されている薬剤はビスホスホネート製剤TNFα阻害薬です。使用が報告されているビスホスホネート製剤のほとんどはパミドロネートであり、その効果は時として劇的で、全体として7割ほどの有効性が示されています。TNFα阻害薬としてはエタネルセプトとインフリキシマブの使用報告がほとんどであり、報告により有効率にばらつきはありますが、おおむね半数程度の有効性が示されています。ただし、日本においてはビスホスホネート製剤、TNFα阻害薬ともにCRMOに対する使用は承認されておらず、標準的使用方法も定まっていません。その他の薬剤としては、副腎皮質ステロイド、メトトレキサート(MTX)、コルヒチンなどが用いられていますが、いずれも確立した有効性は示されていません。

CRMOの長期予後は一般に良好で、炎症病態は数年の経過で消退するとされてきましたが、長期にわたる加療を必要とすることもあります。特に脊椎に病変が認められる場合は圧迫骨折のリスクが高いため、早期より積極的な治療を行うべきとされています。10歳前後の女児に多い疾患ではありますが、多発性の病変と血液検査で炎症反応の上昇を認める重症例は男児に多く、薬剤への反応も悪いことが示されています。診断や治療が遅れる場合が多く、一部の症例では骨折による変形や四肢長の左右差による障害が報告されています。

参考文献)

・特集 自己炎症性疾患. III.広義の自己炎症性疾患. 慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO). 八角高裕

先生から一言

CRMOはまれな疾患で、診断確定が難しいとされます。小児の原因不明の慢性疼痛が続く場合は本疾患を疑う必要があります。

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