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けが(外傷)
肋骨骨折
肋骨骨折とは
肋骨骨折は比較的一般的な傷害で、特に骨粗しょう症がある人やアクティブな人々に発生しやすい骨折です。骨粗しょう症では骨がもろくなるため、軽い咳、転倒、重いものを持ったりしただけで骨折が発生することがあります。
肋骨骨折の原因
①外傷: 交通事故や墜落事故、スポーツ事故、物理的な打撲が骨折の原因となります。
②慢性的な咳: 長期間の激しい咳によっても、肋骨骨折が生じることがあります。
③骨粗しょう症などの骨折を起こしやすくなる疾患の存在: 骨粗鬆症や他の骨代謝疾患によって骨が弱ると、肋骨骨折のリスクが高くなります。
肋骨骨折の症状
深呼吸、席、体を動かしたときに骨折部の強い痛みがあります。
痛みのために寝返りが打てず、夜眠れないという症状が出ることもあります。
肋骨骨折の検査
レントゲン検査が骨折の診断のために有効です。骨折線を正確にとらえるため、多方向から撮影を行い骨折がないかを調べます。胸郭、肋骨部に強い圧痛を認めるときはレントゲンで骨折線が明らかではなくても肋骨骨折(不顕性骨折)と臨床的に診断します。
気胸・血胸など肺の傷害についてもレントゲン検査での診断が可能です。
CTを用いればより正確に骨折の有無を診断できますが、必須ではありません。
肋骨骨折の治療
安静: 安静にして、深呼吸や咳を避けることで、痛みを軽減し、骨折が治癒するのを助けます。
痛み止め: 痛みに応じて鎮痛薬を処方します。
肋骨固定バンド: 胸郭を安定させるためにバンドを使用することがあります。呼吸しにくくなることがあるので、症状に応じて使用するかを決めます。
呼吸療法: 深呼吸を奨励し、肺炎のリスクを減少させます。
手術: 重度の骨折や内臓損傷の場合、手術が必要となることがあります
参考文献)
・専門医の整形外科外来診療

先生から一言
肋骨骨折は外来でも最も頻度の多い骨折の一つです。けがで起こることが多いですが、骨粗しょう症を基盤として軽微な外傷や咳のみで骨折することもあります。
特に骨粗しょう症がある場合は骨折を治療して終わりではなく、骨粗しょう症そのものに対する治療を継続することがカギとなります。