整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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あしの痛み・しびれ

重なり趾・カーリー趾

重なり趾(Overlapping toe)とは?

重なり趾(かさなりし)は、足の指が隣の指の上に乗り上げて重なってしまう状態です。特に、足の小指(第5趾)が薬指(第4趾)の上に乗り上げてしまうケースが多く見られます。 生まれつき(先天性)のものもありますが、大人になってから合わない靴や他の足の変形が原因で起こることも少なくありません。

カーリー趾(Curly toe)との違い

よく似た症状に「カーリー趾(Curly toe)」がありますが、こちらは指が曲がって「隣の指の下に潜り込んでしまう」変形です。どちらも靴に当たって痛むことがありますが、変形の方向が異なるため、治療のアプローチも変わってきます。

第4趾のカーリー趾:隣の指の下に潜り込んでいるのがわかります

重なり趾・カーリー趾の原因

重なり趾の原因については未解明な部分も残されていますが、遺伝や生活環境、疾患など複数の要因が複合的に関与していると考えられています。

まず、先天的・遺伝的な要因として、生まれつき足の指が重なっているケースや、重なり趾を生じやすい骨格構造が遺伝する場合があります。特に、第2趾が親指より長い「モートン趾」は、重なり趾の発生と強く関連しているとされています。

また、日常的な環境や生活習慣も大きな影響を及ぼします。足のサイズに合わない小さな靴や、ハイヒールや先の尖った靴などつま先が窮屈なものを履き続けることで、足趾が圧迫されて徐々に変形を招くことが少なくありません。さらに、歩行時に足部が過度に内側に倒れ込む「過回内(オーバープロネーション)」といった歩行の癖や、ふくらはぎの筋肉の硬縮によって前足部に過剰な圧力がかかることも、変形のリスクを高める原因となります。

これらの要因に加えて、他の足の変形や疾患が引き金になることもあります。外反母趾や扁平足、ハンマートゥ、高い足のアーチといった足の構造的な変化は、重なり趾のリスクを相乗的に高めます。また、関節リウマチなどの疾患も、関節の破壊や足の構造変化を引き起こし、足趾が重なる原因となります。

こうした重なり趾に伴う屈曲変形の解剖学的なメカニズムとしては、足趾屈筋の短縮が主因と考えられています。足趾の屈筋群は下腿の内側を走行しているため、これらの筋肉が短縮することによって、外側(腓骨側)にある足趾が内側(脛骨側)へと強く牽引されます。この力学的なアンバランスが、結果として足趾の内反変形を引き起こすと考えられています。

重なり趾・カーリー趾の症状

重なり趾は、一つあるいは複数の足趾が、隣の指の上に乗ったり下に入り込んだりしてしまうことです。

この変形が生じると、特に靴を履いた際に痛みや疼きを感じやすくなります。指同士がこすれ合ったり、靴に強く当たったりする部分には、魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝)が形成されます。また、日常的に圧迫を受けることで患部が赤く腫れたり炎症を起こしたりするため、靴を快適に履くことが困難になるのも大きな特徴です。

さらに症状が進行すると、ハンマートウ(槌趾)や外反母趾、中足骨部痛といった他の足の疾患を併発することがあります。重症化すると、指が重なった状態のまま関節が硬くなり、自力では元に戻せない強直性の変形に至るケースもあります。

重なり趾・カーリー趾の検査

見た目により、以下の3段階に分類されます。

Grade 1: 隣接する足指に完全に覆われていないため、足指の爪がすべて見える状態。

Grade 2: 隣接する足指に一部が覆われているため、爪の一部が隠れる状態。

Grade 3: 隣接する足指に完全に覆われているため、爪が全く見えない状態。

さらに、X線画像では以下の3つのgradeに分類されます。

Grade 1: 隣接する足指との間に軟部組織のみが重なる。

Grade 2: 軟部組織と趾節骨が隣接する足指に重なる。

Grade 3: 末節骨が隣接する足指の趾節骨に重なる。

重なり趾・カーリー趾の保存治療

変形が軽度な場合にはストレッチを指導して経過観察とするほか、罹患趾のみ、あるいは足部全体を矯正する装具療法が行われます。特に乳幼児の重なり趾においては、テーピングによって指を直線状に固定する治療の効果が証明されており、継続することで寛解や治癒が期待できます。治療は早ければ早いほど良く、歩き始めた後に開始すると指の関節が硬くなり、手術が必要になる可能性が高くなります。また、日常的な対策として、きつすぎる靴は避け、つま先に適度な余裕がある靴を選ぶことも重要です。

重なり趾・カーリー趾の手術(提携病院に紹介)

手術療法は変形が高度な場合や、整容面の改善を希望される場合に検討されます。具体的な術式としては、短縮が見られる長趾屈筋腱や短趾屈筋腱の切離術が施行され、趾節骨に変形が伴う場合には矯正骨切り術が行われます。さらに、症例に応じて関節形成術や皮膚移植が併用されることもあります。

参考文献)

・佐竹寛史. 重なり趾変形の特徴. 東日本整災会誌. 2017;29:437-441.

・Foot Foundation. Overlapping Toe Treatment at Foot Foundation, 2006.

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