整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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首の痛み

頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症とは

頚椎の神経根とは、中枢神経系の一部である頚部の脊髄から分岐した頚神経の起源部分のことです。これらの神経は椎間孔という骨のトンネルを通って頚椎から外部に出ます。頚神経根は、一方の後頚部、肩甲骨周囲、または上肢に向けて知覚神経と運動神経の伝達路を形成します。

頚椎症(骨の変形)により頚椎の椎間孔が狭くなり神経根が圧迫されると、知覚神経や運動神経の障害が起こります。これにより、後頚部や肩甲骨周囲の痛みやしびれ、上肢の痛み、しびれ、筋力低下といった症状が現れます。

ただし、頚椎症性脊髄症とは異なり、両側の上肢が神経症状を示すことは非常に稀であり、下肢に神経症状が現れることはありません

頚椎症性脊髄症は神経の通り道である脊柱管が狭くなって脊髄が圧迫されることにより起こる神経の病気です。

神経の通り道である脊柱管が狭くなって、神経根が圧迫されることにより起こる神経の病気です

頚椎症性神経根症の症状

頚椎症性神経根症の主な症状は、片側の後頚部、肩甲骨周囲、または上肢に向けての知覚神経障害による後頚部や肩甲骨周囲の疼痛・しびれ、さらには片側上肢の疼痛・しびれです。多くは片側の肩甲骨部あるいはその周囲の疼痛で発症し、それに遅れて上肢の痛みやしびれを発症します。そのタイムラグは平均で18日と報告されています。

具体的には、第5頚神経根障害は肩甲上部と上腕近位外側の疼痛・しびれを、第6頚神経根障害は肩甲上部痛と上腕外側から前腕橈側、母指・示指の疼痛・しびれを、第7頚神経根障害は肩甲間部痛と上肢後面から示指・中指・環指の疼痛・しびれを、第8頚神経根障害は肩甲間部や肩甲部痛、上腕内側から前腕尺側、環指・小指の疼痛・しびれを引き起こします。

また、片側の上肢に向けての運動神経が障害されると、対応する神経根が支配する筋肉の筋力低下が生じます。第5頚神経根障害では上肢の挙上(三角筋)や肘の屈曲(上腕二頭筋)、第6頚神経根障害では肘の屈曲(上腕二頭筋、腕橈骨筋)や手関節の背屈(手根伸筋)、第7頚神経根障害では肘の伸展(上腕三頭筋)や手指の伸展(手指伸筋)、第8頚神経根障害では手指の屈曲(手内在筋)が難しくなります。

さらに、深部腱反射についても影響を受け、第5頚神経根障害では上腕二頭筋腱反射、第6頚神経根障害では腕橈骨筋反射、第7頚神経根障害では上腕三頭筋反射がそれぞれ低下します。

頚椎症性神経根症の検査

神経学的所見としては、Spurlingテストなどの痛みを引き起こすテスト、感覚、運動、腱反射の所見により神経根症状や脊髄症状を判別します。
画像診断では、頚椎の単純X線像で椎間板の腔狭小化や椎体の骨棘など脊柱の変性所見を検出します。

レントゲンの前後屈像では、後屈位で脊柱管が狭くなる動的脊柱管狭窄の有無を評価します。

MRIでは、圧迫因子と脊髄・神経根の関係を捉えることができ診断に有用です。

頚椎症性神経根症の治療

重度の歩行障害、手指の精緻な動きの障害、排尿障害などの脊髄症状が出現するケースを除いて、基本的には保存療法が初めに選ばれます。特に神経根症状については、保存療法によって症状が改善される可能性が高く、9割は4週間以内に改善に向かうとされています。

脊髄や神経根が障害を受けると、頚部、背部、上下肢に痛みやしびれが生じます。痛みは、刺激による鋭い痛み(侵害受容性疾痛)と神経障害による灼熱感のある痛み(神経障害性疼痛)に大別されます。前者には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が、後者には神経障害性疼痛緩和薬が効果的であるとされています。筋痙攣が強い場合は、中枢性筋弛緩薬を併用することもあります。

長期にわたる痛みに対しては、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、弱オピオイドが使用されます。

上記のような保存療法が効果を示さない、耐え難い上肢の痛みを伴う場合や、筋力低下を伴うケースでは手術加療が検討されます。

参考文献)

・日本医事新報.50912021.11.20

・坂浦博伸. 整形外科看護. 2021 vol. 26 no.9.

・Cervical Stenosis and Cervical Myelopathy. Dr Lee treats all conditions of the cervical spine.

・吉井ら.頚部神経根症の診断.MB Orthop, 30:7-13,2017.

Childress MA, AM Fam physician, 93:746-754, 2016.

先生から一言

頚椎症性神経根症は肩甲骨部、肩の周囲の疼痛から発症し、上肢の痛みやしびれが広がるという経過をとることが多いようです。
投薬などによる保存治療で多くは回復しますが、麻痺や筋力低下を伴う例も認めるため、正確な診断が要求されます。

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