整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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骨粗鬆症

骨粗鬆症(骨粗しょう症)

骨粗しょう症  ~寝たきりや要介護につながる恐ろしい病気~

骨粗鬆症は骨の量が減少する、あるいは骨の質が悪くなってしまい、骨折をしやすい病態のことを指します。骨の中を拡大してみると、骨粗鬆症では骨がすかすかになっています。骨には骨吸収(破骨細胞)と骨形成(骨芽細胞)による新陳代謝があり、閉経や生活習慣病などの様々な要因によってこのバランスが崩れるのが骨粗鬆症です。

骨折するまで疼痛など気づきやすい症状がなく、ある日突然、些細なけがで骨折してしまう恐ろしい病気です。「身長が縮んできた」「背中が曲がってきた」「慢性的な腰痛が続いている」などの症状を自覚されている方は、骨粗しょう症による「いつの間にか骨折」を起こしている可能性があります。寝たきりにつながる恐ろしい骨折を予防するため、骨粗鬆症検査をうけ、必要であれば早期治療を受けることを推奨します。

骨粗鬆症による椎体骨折
骨粗鬆症による椎体骨折

いつのまにか骨折 ~あきらかな痛みのない骨折~

椎体骨折(背骨の骨折)の約3分の2は無症状と言われています。「あきらかな痛みが無く骨折を起こすことがある」というのが骨粗鬆症による脆弱性骨折の恐ろしいところです。

背中の痛みがある人だけを脊椎骨折の疑いとすると多くの骨折を見逃してしまうことになります。「背中や腰が曲がってきた(脊柱後弯変形)」,「身長が低下した」(特に4cm以上は脊椎骨折を強く疑うとされています),「頭上のものを取りにくくなった」など日常生活動作の困難さ,歩行能力の低下などから胸腰椎の椎体骨折を疑って整形外科を受診し、背骨のレントゲン検査・骨密度検査を行うことが重要です。特に骨密度検査は数字ではっきり現在の骨密度がわかるので現在地と治療の目標値をはっきり知ることができます。

頭上のものが取りにくくなることは見逃されがちな骨粗鬆症によるいつの間にか骨折の症状です
頭上のものが取りにくくなることは見逃されがちないつの間にか骨折の症状です

骨粗しょう症のリスク因子

高齢(加齢の伴い骨折リスクは指数関数的に上昇します)

閉経後や加齢による女性ホルモンの低下

運動量の絶対的不足(臥床安静、対麻痺、廃用症候群:いわゆる寝たきりに近い状態)

無理なダイエット、やせ型

タバコ(リスクは1.25~1.76倍に増大)

過度の飲酒(リスクは1.38~1.68倍に増大)

既存骨折(これまでに骨折したことがある方)

骨折の家族歴(親の大腿骨近位部骨折で同部位の相対的リスクは2.3倍にもなります)

骨量低下をきたす種々の疾患:関節リウマチ、糖尿病、腎障害、肝障害、アルコール依存症、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、性機能不全症、Cushing症候群、45歳未満の早期閉経、胃切除後などの吸収不良症候群、神経性食欲不振症、ビタミンAまたはD化上昇、ビタミンC欠乏症、骨形成不全症、Marfan症候群)

種々の薬剤(ステロイド、ワーファリン、メトトレキサート、ヘパリン、SSRI:抗うつ薬

抗がん剤(性ホルモン低下療法)乳がんに対するアロマターゼ阻害剤、前立腺がんに対するアンドロゲン除去療法

日本における骨粗鬆症の患者数は1280万人以上とも推定されており、骨粗鬆症による脆弱性骨折の発生件数は本邦の高齢化に伴い徐々に増加しています。骨粗鬆症に対する早期発見・早期治療は整形外科医のもっとも重要な使命でもあります。

骨粗しょう症の症状

背中や腰の痛みが続いている

身長が縮んできた

背中や腰が丸くなる(円背や亀背などの脊柱の後弯変形)

股関節や膝関節の屈曲変形

大腿や腰の慢性的な疲れやすさ、痛み

歩行障害、転びやすさ

大腿骨骨折・背骨の骨折をしたことがある

骨粗鬆症によるいつのまにか骨折を繰り返すことによって背中がどんどん曲がってきてしまいます
いつのまにか骨折を繰り返すことによって背中が徐々に曲がってきます, © Complete Pain Care, LLC. All right reserved.

骨粗しょう症の検査

①骨密度測定検査

当院では「腰椎」「大腿骨」で測定する最新鋭の骨密度測定機器「Prodigy Fuga C」を導入しています

保険適応で、予約不要で検査ができます。

検査結果は当日すぐにわかります。

(手やかかとで測定する骨密度は不正確で、ガイドラインでも推奨されていません)

骨密度検査に基づいた骨粗鬆症の診断基準としては以下の3つの基準があります

・「大腿骨近位部骨折または椎体骨折がある」

・「大腿骨近位部・椎体骨折以外の脆弱性骨折」+骨密度<80% YAM(Young Adult Mean)」

・「脆弱性骨折がない」+「骨密度≦70% YAM(もしくは≦-2.5SD)」

ただし骨密度 70~80%では「骨量減少」と判断され、この時点では必ずしも薬物療法は必須ではありませんが、骨粗鬆症予備軍として生活習慣指導、定期的な骨密度検査フォローが推奨されます。

②胸腰椎のレントゲン

「大腿骨近位部骨折または椎体骨折をしたことがある」場合は骨密度が正常範囲内であっても骨粗鬆症と診断されます。大腿骨骨折は見逃されることはありませんが、椎体骨折は上記の通り、いつの間にか骨折として見過ごされていることがよくあります。したがって、骨密度検査のみではなく胸腰椎移行部のレントゲン検査(椎体の正面・側面・前後屈像)が必須です。

さらなる連鎖骨折(ドミノ骨折)を予防することが寝たきりや要介護予防のために重要となります

③血液検査

腎機能をはじめ全身状態を把握します(腎不全では使用できる薬剤が限られます)

骨の材料となる、血中のカルシウムが十分あるかも併せて調べます

また通常の血液検査ではあまり調べられることのない「骨代謝マーカー(Tracp-5b、P1NPなど)「ビタミンD」を測定します。骨粗鬆症の治療に血液検査は必要不可欠で、骨の新陳代謝の異常、使えるお薬の種類がわかるだけではなく、骨粗しょう症以外に腰痛や関節痛をきたす病気(白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫)が隠れていないかを見つけ出す目的もあります。

骨粗しょう症の治療

運動(背筋強化、下肢筋力訓練、転倒防止のための歩行訓練)、食事、日光をしっかり浴びることが治療の基本となります。しかし生活習慣の改善のみでは治療が難しいことも事実で、骨密度低下は徐々に進行します。

したがって薬物治療が重要であり、当院では骨密度検査と血液検査の結果に基づいて最適な骨粗鬆症治療薬を選択します。

骨粗髭症治療薬の選択においては、

「既存骨折はないが骨折リスクのある患者さんに対して骨折を生じさせない一次予防」と

「既存骨折がある患者さんに対して再骨折を防ぐ二次予防

に分けて考えることがポイントです。最適な骨粗鬆症薬の選択には絶えず知識をアップデートし、古い薬剤のみに固執しないことが大切です。とくに骨密度の急速低下傾向を認める fast bone loser(急速骨量減少患者)には骨吸収抑制作用が強く、骨密度上昇効果が期待できる「ビスホスホネート」や「デノスマブ」を初期治療から積極的に選択します。

骨粗鬆症治療薬にはその作用機序によって骨吸収抑制剤、骨形成促進剤、骨代謝改善薬の3種類があります。

① 骨吸収抑制薬
・ビスホスホネート(daily,weekly,yearly)
・デノスマブ(抗RANKL抗体)


・SERM (Selective Estrogen Receptor Modulator):SERMは脂質代謝異常(高コレステロール血症など)を改善し,(エストロゲン受容体陽性)乳癌の発生リスクを抑制するという嬉しい副次効果があります。比較的若年で生活習慣病を伴った骨粗鬆症には,骨質改善効果を持つSERMをまず検討します。
・カルシトニン

・ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体):骨形成促進作用だけでなく骨吸収抑制作用もあります

 

使用する薬ごとに少ないながらも副作用がありますが、骨粗鬆症を放置すればまた骨折を起こしてしまいます。したがって、治療で得られるメリットは副作用のリスクに大きく勝ります。無リスクで、全く副作用のない薬というのは残念ながら存在しないといえます。薬を投与するか否かはリスクとベネフィット(利益)のバランスを考慮して行うことになりますが、骨粗鬆症は特にベネフィットの大きい疾患と考えられています。

ビスホスホネート、デノスマブなどに特有の合併症はおもに2つあります。顎骨壊死は顎の骨が溶けてしまうことですが、口の中の状態が悪い人に起こることがあります。虫歯(齲う歯し)があったりして抜歯などの治療が必要な人には、先に歯科で口の中の治療を行ってから骨粗鬆症の治療を開始します。非定型大腿骨骨折は、骨吸収を抑える薬を長期間にわたって使用することで骨のしなやかさが失われ、大腿骨を骨折してしまうものです。いずれも発生頻度は低く、それよりは骨粗鬆症による脆弱性骨折のほうが圧倒的に高リスクであるといえます。

② 骨形成促進薬
テリパラチド(Daily,weekly,twice-weekly)
ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体):骨形成促進作用だけでなく骨吸収抑制作用もあります

③ 骨代謝改善薬
活性型ビタミンD
ビタミンK2

「骨折の連鎖」を断つ!当院は骨粗鬆症による骨折・寝たきりを全力で予防します

骨粗鬆症の発見・早期治療をしっかり行うことにより脆弱性骨折を予防することが可能です。健康寿命を伸ばしていつまでも元気に、自分のやりたいことができる人生を目指しましょう。

また身体は骨や関節のみで支えられているのではなく、骨の間を靭帯が繋ぐように存在し、その回りを筋肉が守っています。そのため加齢や運動不足、廃用によって筋肉、特に背筋が弱い人も圧迫骨折を起こしやすいといえます。したがって同時にリハビリテーションで筋力訓練をしっかり継続することも重要です。

またにすでに骨折を経験してしまった方でも手遅れということはありません。脆弱性骨折をきたした方は次なる骨折(続発性骨折、二次性骨折、ドミノ骨折など様々な呼称があります)をきたしやすいことを患者さま、ご家族、診療を担当する医師、スタッフみんなが共有することが大切なのです。当院ではすべてのスタッフが骨粗鬆症に対する知識をアップデート全力でサポートにあたります。

三国ゆう整形外科に通院されているかたに骨折をおこさせない!をモットーに、生涯元気に生きるお手伝いを致します🍀

骨粗鬆症による骨折を予防することは健康寿命を伸ばすことに繋がります
「三国ゆう整形外科」は骨粗鬆症による骨折をおこさせません

先生から一言

女性では50歳くらいから骨量が低下し始めますので、閉経後は一年に一度、男性では70歳以降の方は定期的に骨密度の検査をすることをおすすめします。
骨粗しょう症が引き金となる骨折は寝たきり、要介護につながります
生涯元気に、自分らしく過ごすためにまずは検査行い、しっかり治療を継続していきましょう
骨折したことがある方、骨粗鬆症の検査を受けてみたかったけどなかなか受診する機会がなかった方、高齢のご家族が心配なかたなど、あらゆる悩みに全力でサポートを行います

三国ゆう整形外科の最大の使命は、骨粗鬆症による脆弱性骨折を予防し健康寿命を最大限のばすこと、そしていつまでも自分らしく元気に生きるお手伝いをすることです

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