整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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DISEASE DETAILS 疾患一覧

膝の痛み

オスグッド・シュラッター病

こんな症状があれば受診してください

  • 成長期(10〜15歳前後)で、膝の下にポコッ”とした骨の出っ張りがあり、触ると痛い
  • 運動中または運動後に「膝がズキッとする」「膝を伸ばすと痛い」「階段の上り下り・しゃがむ時に痛む」
  • 痛くて運動を続けられない、膝周囲の違和感・疲れやすさが続く
  • 部活動(サッカー・バスケ・バレー・陸上・体操など)で悪化を繰り返す

オスグッド・シュラッター病(Osgood–Schlatter病)とは

オスグッド・シュラッター病は、1903年に Osgood と Schlatter によって報告された脛骨粗面の骨端症です。10歳代前半にスポーツをしているお子さんに多くみられ、約30%は両側に発症します。膝蓋腱(膝蓋靱帯)が付着する脛骨粗面に反復する牽引力(オーバーユース)が加わることで、二次骨化中心に部分裂離や癒合不全が生じ、時に部分的な剥離骨折として表れます。主症状は運動時の脛骨粗面部痛で、疼痛は脛骨粗面に限局するのが特徴です。

好発年齢は概ね10~15歳で、とくに男子に多い一方、女子でも急激な骨成長やスポーツ参加の増加に伴い発症が増えています。ジャンプ、ダッシュ、キックなど膝伸展機構に負荷のかかる動作を頻繁に行う競技歴(サッカー、バスケ、バレー、陸上など)や、growth spurt(急速な成長)の既往を有することが少なくありません。

ジャンプ、ダッシュ、キックなどを頻繁に行う競技(サッカー、バスケ、バレー、陸上など)はオスグッド病を起こしやすい
サッカー、バスケ、バレー、陸上などはオスグッド病を起こしやすい

発症の背景には成長線(骨端線)の成熟過程があります。脛骨粗面の骨端核はおおむね10歳前後に出現して徐々に発育し、女子では16歳ごろ、男子では18歳ごろに癒合が完成して大人の骨になります。この癒合が完了する前の時期は、軟骨成分を多く含む付着部がストレスに弱くもろいためで、身長の伸びに伴う大腿四頭筋の緊張増大と、スポーツによる反復負荷が重なることで、腱が骨付着部を繰り返し牽引し、部分裂離・癒合不全や部分的な剥離骨折を生じます。

脛骨粗面の剥離骨折(または裂離骨折)

オスグッド・シュラッター病の症状

脛骨粗面(下腿前面の骨の出っ張り)に限局した疼痛が主症状です。軽症のうちは抑えたときの痛み(圧痛)や運動時痛が中心ですが、無理をして競技を続けると剥離が進行し、安静時や歩行だけでも強い痛みが出現して跛行(足を引きずる)に至ることがあります。局所には膨隆や腫脹がみられ、押さえると強い圧痛を認めます。とくに膝の曲げ伸ばしや、膝蓋腱に力が入る動作(ジャンプ・ダッシュ・階段昇降・キック)で痛みが増悪し、膝を床につく動作(正座・膝立ち)でも疼痛が誘発されます。診察では脛骨粗面の限局性圧痛に加え、抵抗下での膝伸展で痛みが再現されることが多く、周囲の熱感や軽度の発赤を伴う場合もあります。進行例では活動量の低下や可動域の防御的制限が見られ、日常生活やスポーツパフォーマンスに支障を来します。

オスグッド・シュラッター病の検査

診断は比較的容易です。まず、骨端線(成長線)が閉じる前の年齢かどうかを確認し、問診では痛みが出るタイミング(運動時・膝立ち・階段昇降など)と痛みの正確な部位が脛骨粗面に一致するかを丁寧に聴取します。身体診察で脛骨粗面の限局性圧痛や膨隆・腫脹を確認し、膝関節の側面レントゲンで剥離所見があれば診断は確定します。剥離骨折の段階に至っていない場合でも、症状の部位と誘発動作の一致からオスグッド病と臨床的に診断することは可能で、早期に診断・介入したほうが安静・治療期間を短縮できるため、骨折が明瞭になるまで治療を先送りにするべきではありません。画像所見としては、膝関節側面像で脛骨粗面の骨端核に不整、透亮像、分裂、あるいは遊離骨片を認めることがあります。

オスグッド・シュラッター病の治療

治療の基本は患部の安静と、原因となるスポーツ動作の一時的な中止・軽減です。痛みの強さやレントゲン所見(剥離骨折の有無・程度)に応じて方針を決めます。
症状が軽く、脛骨粗面を押したときの痛みが軽度で「運動の後だけ」痛む場合は、競技そのものを必ずしも中止しません。一方、痛みが強い、あるいはレントゲンで剥離骨折が確認できる場合は、原則として約4週間のスポーツ休止を指示します。
痛みが強い急性期はアイシングや消炎鎮痛の外用剤で炎症と痛みを抑えます。内服薬は必要最小限にとどめ、使用の要否や量は医師が年齢・体格に合わせて判断します。

手術を検討するタイミング

十分な保存療法でも痛みが長期に続く、あるいは遊離骨片が原因で支障が大きい場合に限り、骨穿孔術(ドリリング)や遊離骨片摘出などの手術を検討します。適切に対応すれば多くは成長とともに自然軽快し、将来の機能に影響を残すことは稀です。気になる痛みが続く場合は、剥離が進む前の早期受診・早期介入が治療期間の短縮にもつながります。

Osgood-Schlatter 装具
Osgood-Schlatter 装具

オスグッド病のリハビリ・注意事項

オスグッド病の改善には、スポーツ治療の経験が豊富な理学療法士によるリハビリがとても有効です。成長期は骨の伸びに筋や腱の伸びが追いつかず、筋肉が硬くなりやすい時期です(growth spurt)。そのため、リハビリでは膝を伸ばす仕組み(膝伸展機構)の柔軟性を丁寧に評価し、「尻上がり現象」の有無も確認します。あわせて、股関節・足関節を含む全身の柔軟性や下肢のアライメント(脚の並び)、練習量やシューズといった外的要因も見直し、必要に応じてインソール(足底装具)を作成します。

痛みが長引いて慢性化している場合は、筋の硬さ(タイトネス)の改善、関節機能の回復、動作のくせの修正(運動連鎖の調整)を中心に進めます。装具の活用や物理療法(電気治療・低周波・ホットパック)を組み合わせることで、痛みの軽減と安全な競技復帰を後押しします。

痛みがある期間でも、まったく動かないのは逆効果です。脚の筋力が落ちて回復が遅れるため、脛骨粗面や膝蓋腱に負担のかかりにくいストレッチや筋力トレーニング(体幹・おしり・ハムストリングスのコンディショニングなど)は続けます。理学療法士が痛みの程度に合わせてメニューを調整しますので、自己判断で無理をしないことが大切です。

復帰の目安は「痛み」

日常動作でほぼ痛みがないこと、ジャンプやダッシュで痛みが再発しないこと、ストレッチで柔軟性が保てていることを確認しながら、ジョギング → ダッシュ → 方向転換・ジャンプの順に段階的に負荷を上げていきます。自己判断で一気に元の練習量に戻すと再発しやすいため、段階復帰の計画を理学療法士と共有しましょう。

放置すると

痛みをがまんして治療を受けないままにすると、成長が終わった後も痛みが残る場合があります。レントゲンで剥がれた骨片が遊離していることがあり、そのときは骨片摘出などの手術が必要になることもあります。早めの受診・リハビリ開始が、治療期間の短縮と再発予防につながります。

参考文献

帖佐悦男.オスグッド・シュラッター病.日本医事新報.2020;5016:50.

乾 洋:膝関節痛で考えるべき疾患とその鑑別法.診断と治療 111(6): 725-731, 2023.

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