整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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股関節の痛み

グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)

グロインペイン症候群(Groin Pain:鼠径部痛症候群)

スポーツ障害のひとつで、太ももの付け根や鼠径部に疼痛や不快感を引き起こす疾患です。グロイン(Groin)は鼠径部(そけいぶ)のことです。圧痛や運動痛があり、時に鼠径部や大腿内側、下腹部にまで疼痛が放散するのが特徴です。

グロインペイン症候群は鼠径部に疼痛を引き起こすスポーツ障害です

© RHP Physiotherapy.

グロインペイン症候群の原因

股関節の可動性の低下や、股関節や体幹筋力の低下に伴う動作の不安定性、身体のコントロール能力の低下が原因となっていることがあります。これはサッカーやラクロスなどのスポーツでよく報告されています。明確な原因を特定することが難しいと考えられていましたが、近年ではMRI検査などを分析した結果、内転筋などの筋肉や関節唇が疼痛にかかわっていると明らかになってきました。

また、2014年の「アスリートの股関節痛の用語と定義に関するドーハ合意会議」では、Weirらによってアスリートの股関節痛を以下の3つに分類されました。

①臨床的に分類された股関節痛:XP、MRIなどの画像検査を行わず、理学的所見から分類される股関節痛で、内転筋、腸腰筋、股関節、恥骨関連のグロインペインが含まれます。
②股関節関連の股関節痛:股関節唇損傷やFAIなど、股関節内の問題から生じる痛みです。
③その他の原因による股関節痛:腫瘍などの特殊な例を含み、恥骨下枝疲労骨折、繰り返す閉鎖筋損傷、白血病、リンパ節炎などが隠れていることがあります。

特に内転筋関連の股関節痛が全体の三分の二を占めていると考えられています。

グロインペイン症候群はサッカーでの発症例が多いとされます

グロインペイン症候群の症状

ランニングやキック動作といった、鼠径部に力を入れた際に痛みを生じます。症状が悪化すると、起き上がりや立ち上がりといった日常生活でも痛みが生じるようになります。スポーツの時だけ痛みを感じる軽症例から、歩行にまで困難をきたす重症例まで、痛みの強さは様々です。

グロインペイン症候群の症状は鼠径部の痛みです。痛みの強さま様々です。
グロインペイン症候群の症状は鼠径部の痛みで、痛みの強さは様々です。

グロインペイン症候群の検査

まずはレントゲン検査で股関節の骨形態評価を行い、骨そのものに変形がないか確認をします。
MRI検査では筋損傷の有無や、疲労骨折などの骨髄内、関節唇損傷など股関節内の評価が可能です。微細な筋肉の損傷が認められることが多いとされています。

グロインペイン症候群の治療

疼痛が強い場合は、最低でも2週間のスポーツ休止が必要です。休止期間は症状の程度によって変わりますが、十分に疼痛が取れるまで無理は禁物です。 スポーツリハビリテーションが有効であり、可動性、安定性、協調性の問題を評価し、筋力訓練、協調運動訓練を行います。当院では日本代表選手の指導経験を持つベテランのセラピストをはじめ、スポーツリハの指導に力を入れています。

グロインペインの治療を行う上で重要なのは、選手(患者さん)、セラピスト、トレーナーに対して、「その病変を引き起こした(病変と関連する)機能不全を評価し、治療し、予防することがより重要である」という考え方を伝えることが重要です。鎮痛薬を使用して痛みだけ抑えても、簡単に再発してしまいますし、さらに大きなケガを負うことにもつながるためです。

参考文献)

・スポーツ整形外科学 文光堂

・仁賀 定雄. 難治性グロインペインの診断と治療・予防の歴史

先生から一言

グロインペイン症候群は、病歴、スポーツ歴と身体所見から診断をつける疾患ですが、その病態は複雑です。通常はスポーツの制限や休止により症状の改善がみられます。症状が改善せず、長期間続くときはMRI検査を検討して、隠れたほかの疾患を除外する必要があります。

当院ではスポーツリハビリテーションの経験が豊富なセラピストが複数在籍しており、サポート体制を充実させています。ぜひお気軽にご相談ください。

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