整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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手首・手指の痛み

ブシャール結節

ブシャール結節とは

手指のPIP関節(指の真ん中の関節)に発生する変形性関節症(OA)をブシャール結節と呼びます。疼痛や可動域の制限、握力の低下を引き起こす疾患です。DIP関節のOAはHeberden(ヘバーデン)結節と呼ばれます。疼痛は自然に軽減することが多い(=self-limiting disease)と言われていますが、約半数のケースでは変形性の変化が進行すると報告されています。

ブシャール結節は指のDIP関節の変形です

ブシャール結節の原因

一般的に、OAには原因がはっきりしない一次性(特発性)と、外傷や感染など原因が明らかな二次性があります。Heberden結節やBouchard結節は一次性のOAに分類されます。また、関節リウマチ(RA)や乾癬性関節炎など、手指の変形を引き起こす可能性がある全身性の疾患を除外する必要があります。

ブシャール結節の症状

理学的所見では、関節部の腫脹、屈曲拘縮、側方偏位が見られ、時には発赤や熱感を伴うこともあります。特にDIP関節には、嚢腫形成(粘液嚢腫)が生じることもあります

ブシャール結節の検査

単純X線検査では、関節裂隙の狭小化、軟骨や骨の硬化、骨棘形成や関節の不整形を認めます。また、erosive osteoarthritis(EOA)と呼ばれる疾患群では、臨床症状が強く、X線上で軟骨や骨のびらんや骨吸収像、皮質骨の破壊が見られます。また、関節リウマチ(RA)や乾癬性関節炎など、手指の変形を引き起こす可能性がある全身性の疾患が否定できない場合は血液検査を行います。特に関節リウマチでは抗CCP抗体、リウマトイド因子の高値を認めることがあります。

ブシャール結節の保存治療

指は体重のかからない「非荷重関節」なので、疼痛の改善、関節の保護や安定化を目的とした保存療法を行い、改善しない場合に手術を検討します。

投薬治療では、消炎鎮痛剤の投与をまず行います。四肢の冷え性を伴う場合は、末梢循環血流を改善するためにビタミンE製剤を処方します。漢方薬ではケイシカジュツブトウやヨクイニンなどを併用します。

ステロイドの関節注射は炎症や痛みが特に強い場合に、回数を制限して行います。頻回の注射は軟骨障害につながるため、避けたほうが望ましいでしょう。

運動療法は、安全で副作用がなく、有効です。種子運動訓練やマッサージによる可動域の拡大、筋力維持、関節安定性の維持、手指変形の予防を目的にしたホームエクササイズを指導します。

テーピングも有効で、痛みの軽減に役立ちます。長時間の装用によるかぶれを避けるため、昼間のみの装着とします。関節背側に複数枚の紙テープを貼る背側テーピング法や、DIP関節に対する布製テープを用いたテーピング療法、DIP関節固定専用テープの使用などがあります。「へバーデンリング」と呼ばれる指を固定する装具をブシャール結節の治療のために応用することもあります。

ブシャール結節の手術治療

強い疼痛と運動制限が、保存治療で改善しなければ手術を検討します。関節温存手術(関節形成術)、関節固定術、人工関節置換術の3つの手術法があります。へバーデン結節とは異なり、ブシャール結節では関節の動きが制限されることによる弊害が大きいため、関節固定術は一般的には行いません。

関節形成術は、X線の麻生分類stage 3(関節裂隙の狭小化が著明で、関節面の不整形や適合不全を伴い、骨棘形成も著しい)までに考慮されます。骨棘や関節滑膜の切除を行うことで、疼痛の軽減とある程度の可動域の改善が期待できます。人工関節置換術は、関節破壊があり側副靱帯が温存されており、骨量が保たれている場合に適応です。耐久年数は膝に比べると短い傾向にあり、患者さんの年齢や、生活背景を考慮して手術するかを決定します。

参考文献)

・MBMed Reha No. 244: 58-63, 2020 特集:手外科リハビリテーション診療 Heberden結節・Bouchard結節の治療とリハビリテーション

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