整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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肩の痛み

リウマチ性多発筋痛症

リウマチ性多発筋痛症(PMR)とは

リウマチ性多発筋痛症(Polymyalgia Rheumatica: PMR)は、主に高齢者を中心に、急性の経過で発症し、肩などの四肢の近位部に強い筋肉痛を呈する炎症性の疾患です。発症年齢は50歳以上が一般的で、70代での発症がピークとされています。性別は、女性にやや多く見られます。時に、失明のリスクがある巨細胞性動脈炎を合併し、悪性腫瘍が併存することがあるので、注意が必要です。

リウマチ性多発筋痛症の原因

正確な発症原因はまだ完全には解明されていません。遺伝的要因、免疫系の異常、環境要因(特定のウイルス感染症や気候の変化など)などの複合的な要因がリウマチ性多発筋痛症の発症にかかわっていると考えられています。加齢もリスクになります。

リウマチ性多発筋痛症の症状

肩関節や股関節及びその周辺の筋肉に強い痛みが生じ、体の動きが困難になることがあります。急激に発症することが多く、しばしば発症した日をはっきりと覚えているくらいです。手指などの小関節に症状が出ることは稀である点が、関節リウマチと異なります。また、発熱、易疲労感、抑うつ症状、体重減少などの全身症状を伴うことも多く、これらが主な訴えとして受診することもあります。特にPMRの80%に発熱が見られるため、不明熱の鑑別としても重要です。

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の重要な合併症:巨細胞性動脈炎

側頭部の頭痛や視力低下、眼前暗黒感がある場合は、巨細胞性動脈炎(GCA)の合併を疑います。合併が疑われる場合は、側頭動脈エコー、造影CT、PET-CTなどの画像検査や側頭動脈生検による評価を行います。GCAは失明リスクのある危険な合併症で、特に注意が必要です。

リウマチ性多発筋痛症の検査

血液検査では、CRPや赤沈などの炎症マーカーやMMP-3の高値がみられます。一方で、抗CCP抗体やリウマトイド因子などの自己抗体は原則として陰性です。PMRが疑われた際は、胸部X線および胸部から骨盤までのCTなどで感染症や悪性腫瘍を除外する必要があります。眼症状(視力低下、一過性黒内障など)、側頭部の頭痛や発熱・炎症反応が高い場合は、GCAを疑います。PMRの炎症は滑液包にその主座を持ち、MRIでは、肩峰下滑液包炎、三角筋下滑液包炎、上腕二頭筋腱長頭の腱鞘炎、転子部滑液包炎などの所見が特徴的です。また、リウマチ性疾患として、同様の関節症状を呈する関節リウマチやRS3PE症候群との鑑別が問題になることがあります。

リウマチ性多発筋痛症の治療

治療は少量のステロイド(prednisolone 15 mg/日程度)が基本となります。ステロイドへの反応性が良いと、数日以内に症状の改善を認めます。しかし、ステロイドの減量や中止の過程で再燃する場合が多く、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬の併用が検討されることもあります。

参考文献)

・日本医事新報 (5140): 42-43, 2022.

・Nippon Rinsho Vol 80,Suppl 4,2022.

先生から一言

リウマチ性多発筋痛症は疑わないと診断が難しく、血液検査、症状から診断します。悪性腫瘍の除外が必要であり、本疾患を疑った段階で、膠原病内科医にご紹介いたします。

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