整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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DISEASE DETAILS 疾患一覧

肩の痛み

肩関節不安定症

肩関節不安定症(Shoulder instability)とは?

肩関節不安定症は肩関節の周囲の軟部組織が緩くなり、肩関節が不安定になる疾患です。肩関節の周囲には関節包、靱帯、関節唇などの組織があり、肩関節を安定化させています。肩が抜けそうになる感じ肩の痛み、易疲労感、肩こりが生じやすくなり、反復性肩関節脱臼との鑑別が重要です。若年の女性に多く、左右差はあるものの通常は両側性に症状が出ます。不安定性、動揺性が高度になると随意性前方脱臼、随意性後方脱臼など自分の意志で肩関節を脱臼させられるようになってしまうこともあります。

肩関節不安定症は肩関節の周囲の軟部組織が緩くなり、肩関節が不安定になる疾患です

肩関節不安定症の症状

肩が抜けるような感覚「Give way」を感じることがあり、通常は同時に痛みも伴います。ギブウェイは、ボールを投げる時や体の後ろに手を伸ばすような、特定の活動や腕の位置で発生します。腕や肩の可動域の減少、関節の腫脹がみられることもあります。

投球動作など、スポーツ活動でGive Wayを感じることが多い

肩関節不安定症の原因

生来の肩関節の緩さ、すなわち関節包や関節包靱帯のゆるみが主な原因とされています。腱板筋群の機能不全や肩甲骨の下方回旋も原因となります。転倒、スポーツでのけが、交通事故などの外傷は動揺肩を増悪させる原因となります。全身の関節が緩くなる基礎疾患(エーラースダンロス症候群)が背景にあることがあります。

肩関節不安定症の検査

理学所見、レントゲンなどの画像検査をもとに診断します。肩の不安定性を評価する以下の5つの項目のうち、3項目以上が陽性であれば不安定性ありと判断しています(黒田の基準に準ずる)。

①関節の内旋・外旋位の不安定性
②後方の不安定性:骨頭にストレスを加えたとき、骨頭が関節窩を乗り越える場合を陽性とする。
③前方の不安定性:厚い三角筋の後部の線維を通して触れるため、判断が難しい。
④ゼロポジション時の肩関節の回旋の可動域の増加:非外傷性不安定症の場合、平均で93.1°となり、同年齢層の肩回旋可動域の72.7°よりも増大すると報告されています。
⑤挙上位のX線像で上腕骨の骨頭のスリッピング:これも不安定性の一因となります。

不安定性を惹起するほかの疾患や、変形、骨折などの他の肩の痛みの原因を除外するために、通常はX線検査をまずは行います。自分の意志で関節を脱臼させることができる随意性脱臼が認められると診断しやすいです。

随意性前方脱臼位のレントゲン像

肩関節不安定症の保存治療

肩関節の外傷性脱臼後であれば、安静が重要です。三角巾やアームスリングを使用します。また、疼痛の改善のために鎮痛薬、外用剤を使用します。

外傷性、被害小生の不安定症のいずれであっても、リハビリが中心的な治療となります。肩甲骨の可動性の再獲得、肩甲骨の下方回旋を改善させるための肩甲胸郭関節のバランス運動訓練、腱板機能の改善訓練が大切です。肩関節が緩いままだと、不安定性た易脱臼性が改善しません。

肩関節不安定症の手術治療

上記のようなリハビリや投薬で改善しない痛み、日常生活動作制限(ADL障害)があったり仕事に支障がある場合は手術を検討します。手術は関節包(関節を包む袋)縫縮術、関節唇損傷を伴う場合は鏡視下バンカート手術などが適応となります。関節包縫縮術は術後一年での症状再発が多く報告されており、適応は慎重に検討せねばなりません。

参考文献)

・黒田重史. MB Med Reha No.157:127-131,2013.

・超実践 肩の外来診療. メジカルビュー社

先生から一言

肩関節不安定症はリハビリテーションが重要な疾患です。当院ではスポーツリハビリテーションに熟練した理学療法士と医師がタッグを組んで治療に当たります。リハビリで改善に乏しい場合は保存治療にこだわらず、提携している肩関節専門医に速やかに紹介いたします。

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