整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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あし(下肢) の痛み・しびれ

変形性足関節症

変形性足関節症(Ankle osteoarthritis)とは

膝や股関節の軟骨がすり減る変形性膝関節症は有名です。同様に、足関節にも軟骨のすり減りにより起こる変形性足関節症があります。関節のクッションの役割を果たす関節軟骨が摩耗、または変性することに始まり、進行すると関節の骨が破壊されていく疾患です。

足関節の関節軟骨が破壊されることにより、痛み、変形が生じます

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変形性足関節症の原因

明らかな原因がなく起こる「一次性変形性関節症」、骨折や脱臼などの外傷、関節リウマチなどが原因で起こる「二次性変形性関節症」の2つに分類されます。本邦では二次性の変形性関節症が多く、一次性は比較的稀です。骨折のみならず、足関節の捻挫を放置することにより起こる靭帯の機能不全から足関節不安定症となり、二次性の変形性足関節症を発症することがあります。たかが捻挫と思い放置すると思わぬ後遺症を残すことがあります。

変形性足関節症の症状

関節症の初期には階段昇降時、立ち上がりなどの動作開始時に足関節内側の痛みを感じることが多いとされます。またしゃがみ動作でも痛みを感じることがあります。関節の変形が進行すると徐々に足関節全体の疼痛に変わってきます。

関節軟骨の摩耗がさらに進行してくると、足首の周囲の皮膚の下の軟部組織が腫れてきて、足首全体が腫れぼったく見た目が変化することさえあります。また関節の動きが妨げられる可動域制限が起こり、背屈、底屈が制限されます。

歩行時の足首の痛み、動きの制限がみられます

変形性足関節症の診察・検査

まずは捻挫や骨折などの外傷がないかを問診します。レントゲン検査で診断は容易で、関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨嚢胞など関節の変形に伴う様々な変化を認めます。本邦では高倉・田中分類(Takakura/Tanaka Classification)が用いられ、Stage1-4に分けられます。X線検査による分類のみで治療法が決定するわけではないことに注意が必要です。

レントゲンでは関節裂隙狭小化、骨棘(ほねのとげ)、骨嚢胞などの変化が見られます

引用文献:Osteoarthritis and Cartilage. Volume 23, Issue 12, December 2015, Pages 2059-2085

変形性足関節症の保存治療

レントゲンでのStage分類によらず、まずは保存治療を行います。鎮痛薬、外用剤などの薬物療法、減量、温熱療法などの物理療法、足関節固定装具、足底版の使用などがあります。また捻挫後の足関節不安定症に対してはリハビリテーションによって腓骨筋腱をはじめとした足関節の安定性に寄与する筋肉の訓練を積極的に行います。足関節のみならず、膝関節、股関節、足部の筋力訓練、可動域訓練も足関節の安定化向上、疼痛の改善のために有効です。

薬、注射、リハビリなどの治療が有効です

変形性足関節症の手術治療

上記にような保存治療で症状の改善が得られない時に手術加療を検討します。鏡視下デブリードマン(骨のとげなどの構造物を切除する手術)、関節鏡下関節固定術、人工足関節置換術などが選択されます。

参考文献)

・足の専門医はこう見立てる

・V.B. Kraus et al. Atlas of radiographic features of osteoarthritis of the ankle and hindfoot.

Osteoarthritis and Cartilage. Volume 23, Issue 12, December 2015, Pages 2059-2085

先生から一言

変形性足関節症は、クリニックでは過去の骨折などの外傷、足関節捻挫を放置して生じた慢性的な足関節不安定症を基盤として発症した方をしばしば見かけます。
いずれも変形性関節症の早期から治療介入を行うことが変形の進行の予防につながるため早期受診がカギとなります。
疑わしい症状があれば早めに受診してください。

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