整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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あし(下肢) の痛み・しびれ

強剛母趾(Hallux Rigidus)

強剛母趾(Hallux Rigidus)とは

母趾MTP関節の変形性関節症です。主に母趾の付け根の関節の背側(足の甲側)に痛みをきたします。外反母趾と疼痛部位が類似しており、混同されることがあります。

強剛母趾は母趾MTP関節(親指の付け根)の変形性関節症です

強剛母趾の原因

片側だけであれば外傷が多く、両側であれば家族歴が関連していることが多く見られます。50歳以上の男性に多いとされています。強剛母趾は多くは明らかな原因なく加齢とともに進行します。関節軟骨の摩耗が蓄積し、変形が進行すると考えられます。特に母趾は歩行時に強いストレスを受けるために軟骨がすり減りやすく、体重の2倍に相当する力がMTP関節にかかります


リスクファクターとしては以下のようなものがあります。

MTP関節の過剰使用(スポーツ、趣味、仕事など)。親指をぶつけること。ターフトゥ(つま先の捻挫)。通常より長い中足骨。50歳以上(加齢)、スポーツアスリート、仕事で一日中立ち仕事をする人々、関節リウマチ、痛風、関節炎を伴う自己免疫疾患。、骨軟骨炎などの疾患。

強剛母趾の症状

母趾MTP関節背側に痛みがあり、歩行時の踏み込み、つま先立ちで痛みがあります。母趾MTP関節の伸展可動域制限があり、伸展強制させることで痛みがで、病期が進行すると背側のみでなく、全体の痛みとなります。母趾MTP関節全体が熱感はないが、腫れることが多いです。

歩行時の足の親指の痛みがあります

外反母趾にはGrade分類があり、反対側の母趾と比較してどの程度指の動きが保たれているかで評価を行います。

グレード0:(健側に比べて)10%~20%の可動域喪失

グレード1:20%~50%の可動域喪失

グレード2:50%~75%の可動域喪失

グレード3:75%~100%の可動域喪失

グレード4:75%~100%の可動域喪失、母趾を動かす際の痛みが強い

強剛母趾の検査

レントゲン検査で母趾MTP関節の関節列隙の狭小化、軟骨下骨の骨硬化、背側の骨棘を確認します。外反母趾との鑑別もできます。関節リウマチや痛風などのほかの疾患の併存を疑う場合は血液検査を検討します。

強剛母趾の治療

熱感や腫れが強い場合、炎症が起きていると考え外用薬を主とした薬剤療法と局所の安静を行います。伸展を中心とした可動域制限で骨棘変形や疼痛の少ない軽度の場合は、足底筋のストレッチ、MTP関節の可動域訓練を行います。

最大伸展で痛みがあれば、骨性もしくは軟骨組織のインピンジメントがあると考えれ、伸展制限を行います。また、歩行時の蹴り出し時の伸展負荷を軽減させるため、足関節の背屈可動域訓練を行います。

ステロイドの関節内注射も有効です。

もっとも重要なのは靴の選択です。足の指先に十分なスペースがある靴を履くことで、MTP関節への圧力を和らげることができます。硬いソールの靴は痛みを軽減します。ハイヒールや足の指を圧迫する靴(つま先のスペースが狭い靴)の着用は避けてください。

ハイヒールや先の細い靴はできるだけ避けるようにしましょう

強剛母趾の手術治療

多くの症例では手術は必要ではありません。上記のような治療を行っても強い疼痛が残存する場合は以下の手術を検討します。

・ケイレクトミー(関節唇切除術):MTP関節にある骨棘や成長を削り取る
・骨切り術:骨を切り、形を整えたり短縮させる
・人工関節置換術:MTP関節の痛んだ関節にスペーサーを挿入する
・関節固定術:損傷した軟骨を取り除き、関節内の骨をスクリューなどで固定します。疼痛は取れやすいですが、関節の動きがなくなります。

参考文献)

・足の専門医はこう見立てる

先生から一言

強剛母趾は生活上の注意点や靴の指導、投薬、インソールなどで多くは手術が必要ありません。外反母趾との鑑別も重要です。当院では強剛母趾専用のインソール作成が可能な装具技師と提携し、治療を行っています。

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