整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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股関節の痛み

弾発股(Snapping hip syndrome)

弾発股(クリック股)とは

骨盤や股関節から「ポキポキ」「ゴリッ」という音がなる状態のことです。ポップ音、クリック音とも表現されます。股関節回りの筋肉や腱が骨に引っかかることから音が鳴ります。原因がわからないけど、歩いていると股関節がゴリゴリ鳴る、音がする、という訴えで来院される方が多いです。

弾発股の原因

 スポーツで痛めることや仕事の都合上身体を酷使する使いすぎが原因になると考えられています。繰り返し骨と腱がこすれることで炎症を起こし痛みを感じるようになります。 

股関節から音が鳴る、その原因は大腿骨の外側と筋肉・腱の摩擦などによります

© John Hibbitts

弾発股は発生する部位に基づいて3つに分類されます。

①股関節の外部の要因によって生じるもの(External snapping):股関節の外側の大腿骨大転子領域を横切るように腸脛靭帯が走行していることが原因です。腸脛靭帯は、脚の側面を下っていく腱です。大腿骨大転子は、股関節の筋肉が集まって付着する場所で、大腿骨の頭部と股関節の窩を覆います。脚が前後に動く際に、これらの摩擦によって音が鳴ります。腸脛靭帯が硬いか、大臀筋(お尻の筋肉)など股関節の筋肉のが弱い場合、外側の股関節の音がなりやすいとされます。

②股関節の前面およびその内側でかつ関節外の要因で生じるもの(Internal extra-articular snapping):大腰筋または腸腰筋腱のいずれかが股関節の前面で引っかかります。屈曲からのばしたとき音がでますが、これは屈筋が伸び、股関節の骨に引っかかり、その後、引っ掛かりが取れたり、元の位置に戻る際の音だと言われています。股関節の屈筋と骨の間のクッションである滑液包が刺激され、炎症を起こすと痛みが生じる滑液包炎となります。内側の股関節の音は、大腰筋が緊張したり炎症を起こしたりすること、または股関節の筋力に不均衡があることによって引き起こされる、オーバーユースによる損傷です。

③股関節の内部で起こるもの(Internal intra-articular snapping):股関節の軟骨に裂け目が入るか、股関節内に浮遊する異物によって引き起こされ、股関節の軟骨の一部や、大腿骨頭から剥がれ落ちた軟骨や骨片が原因です。

弾発股の症状

弾発音が外から聞こえる場合もあり、滑液包炎を伴うと股関節部周囲の疼痛が出現します。外側型弾発股では腸脛靭帯が肥厚する場合もあります。弾発現象や音が鳴るだけで痛みが出ないことも多いです。文献的には高度な弾発股と股関節の機能障害をともなう「殿筋拘縮症」の報告もあります。

弾発股の検査

多くは身体診察で診断が可能です。必要に応じてX線、MRIなどの画像検査を行い、骨折などの外傷や骨の変形がないかを調べます。

弾発股の治療

局所の安静、消炎鎮痛剤の内服や弾発現象を避けるようにします。運動の中止やストレッチで柔軟を高めることで痛みや炎症は速やかに改善します。リハビリテーションでストレッチと筋力強化を行います。当院ではスポーツを無理なく継続しながら、疼痛を改善するための理学療法・リハビリテーションを実施しています。

上記の治療で疼痛が改善されず、滑液包炎、腱鞘周囲や関節炎が生じる場合は、ステロイドの局所・関節内注射を行います。安静期間が十分でないと、股関節部の炎症が再発することもあります。症状が強い時は十分な休養をとることも重要です。

参考文献)

・今日の整形外科治療指針 医学書院

先生から一言

弾発股は音が鳴るだけで症状がないことも少なくありません。音が鳴ることで心配になり受診される方が多いですが、たいていは問題ないこと、予防と対策についてご説明すると安心して帰られます。

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