整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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スポーツによる障害

有痛性外脛骨

有痛性外脛骨とは

足の内側にある外脛骨(os tibiale externum)は、約20%の人だけに見られる副骨といわれる骨です。子の骨に痛みがでる疾患が有痛性外脛骨です。大半の場合で両足に見られ、特に女性に多いとされています。外脛骨は、舟状骨の内側の骨の隆起として触れることができ、歩行やスポーツをする際に足の内側に痛みを引き起こすことがあります。ほとんどの場合は捻挫やオーバーユーズによって痛みがでます。

有痛性外脛骨の原因

捻挫などのけがや、スポーツによるオーバーユーズが原因となり、舟状骨と外脛骨の間の軟骨への微小損傷や、後脛骨筋腱付着部への後脛骨筋腱による強い引っ張り力とストレスが加わって、外脛骨に動揺性が生じ、痛みが引き起こされると考えられています。また、外脛骨の骨隆起部に起こる炎症性滑液包炎も痛みの原因となる可能性があります。

有痛性外脛骨の症状

歩行時や運動時に足の内側、特に舟状骨の内底側に疼痛がでます。圧痛、熱感、または発赤を伴う舟状骨内側の骨隆起が特徴的です。また、後脛骨筋の機能不全が発生し、扁平足になることもあります。

有痛性外脛骨の検査

足部の単純X線立位正面像、側面像、および回外斜位像が撮影されます。CTでは外脛骨と舟状骨の分離部がはっきり見えます。外脛骨は舟状骨結節の骨化の二次核が思春期に舟状骨と癒合せず残ることで形成され、骨化時期は8歳以降であるため、有痛性外脛骨の確定診断は9〜10歳以降になります。

外脛骨の分類にはVeitch分類が使用され、3つのタイプに分けられます。「TypeⅠ」は外脛骨が舟状骨から完全に遊離し、後脛骨筋腱内に存在します。「TypeⅡ」は外脛骨が線維性または軟骨性に舟状骨と結合しています。「TypeⅢ」は外脛骨が舟状骨と骨性に癒合し、内側に隆起しています。症状を示すのはほとんどがTypeⅡで、結合部の病理組織は偽関節に似た線維性結合組織の膠原線維増生を伴います。

鑑別診断すべき他の疾患には、後脛骨筋腱炎、後脛骨筋不全による扁平足、バネ靭帯損傷などがあります。

有痛性外脛骨の治療

痛みが強い急性期には、まずは局所を安静に保つことを中心にした保守的な治療を行います。症状が改善しない場合、または早期にスポーツ活動への復帰を望む場合には、手術治療が検討されます

保守的治療

保守的治療には、湿布や軟膏などの外用薬や消炎鎮痛剤の処方、安静をとります。後脛骨筋腱の緊張を和らげて外脛骨への負荷を軽減するためにアーチサポートの使用も有効です。痛みが強い場合には、ステロイド剤の局所注射を行うこともありますが、腱断裂のリスクを避けるため頻回の注射は避けます。アーチを形成した膝下ギブスを3週間ほど使用することもあります。急性期の症状が落ち着いたら、後脛骨筋、腓骨筋、下腿三頭筋を中心とした足関節周囲の筋力訓練や足趾屈筋群や内在筋の筋力訓練、アキレス腱のストレッチを行います。

手術治療

手術方法には、外脛骨のみを摘出する方法、外脛骨を摘出して後脛骨筋腱を舟状骨に縫縮する方法、外脛骨と舟状骨を骨癒合させる方法の3つがあります。いずれの手術方法も良好な成績が報告されていますが、後脛骨筋腱を損傷せずに機能を保持することが重要です。手術後は、4週間足関節を中間位でギプス固定し、その後足関節の可動域訓練を開始します。さらに、後脛骨筋を中心とした足関節周囲の筋力訓練を徐々に行っていきます。競技復帰は、手術後3ヶ月を目安にしています。

参考文献)

・整形外科 Surgical Technique, vol.13 no.5 2023

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