足関節前方インピンジメント症候群（Anterior Ankle Impingement Syndrome）とは

足首の関節の前方に何らかのつまりやつっかかりが起きて、足関節の背屈部に疼痛が生じ、可動域の制限が出ます。特に、足を上げる（背屈）動作時に、関節やその周囲の組織が挟まれる（インピンジメント）ことにより症状が発生します。スポーツ選手や活動的な人に多く見られ、特にサッカーやバスケットボール、バレエなど足首に負担がかかる活動を行う人に起こりやすいとされています。

足関節前方インピンジメント症候群の原因

インピンジメントが生じる原因は、大きく分けて2つあります。足関節の前面で骨と骨がぶつかり合って、痛みや可動域制限が出る「骨性インピンジメント」と足関節の前面で軟部組織や靱帯の肥厚、瘢痕組織が挟み込まれて、痛みや可動域制限が出る「軟部組織性インピンジメント」があります。多くは、過去の捻挫、骨折などの足関節の外傷後に、前方に骨棘（骨の突出）が形成されることが原因であると考えられています。加齢に伴う足関節の変形も原因の一つです。

足関節前方インピンジメント症候群の症状

足関節前方インピンジメント症候群の検査

X線検査をおこない、脛骨下端前縁と距骨背側の骨棘を確認します。X線検査であきらかな原因が判明しない場合は、MRI検査を検討します。

足関節前方インピンジメント症候群の治療

安静、運動制限の保存加療をまず行います。非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）などを対症療法として使用します。理学療法にてトレーニングをおこない、関節の動きを改善し、周囲の筋肉を強化することで症状を緩和します。

上記の保存治療でも症状が改善しない場合、もしくは足関節不安定症に続発するインピンジメント症候群は手術加療を検討します。