整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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けが(外傷)

脛骨遠位骨端線損傷

脛骨遠位骨端線損傷(けいこつえんいこったんせんそんしょう)は、足首の近くにある「脛骨(すねの骨)の成長軟骨(骨端線、いわゆる成長線)」が傷つく骨折です。主に成長期の子どもや思春期のお子さんにみられます。捻挫と同じような受傷機転が多く、捻挫と間違われることが多く注意が必要です。
骨端線は骨の成長に大切な部分であるため、この部位を痛めると、単なる捻挫や一般的な骨折とは異なり、その後の骨の成長に影響することがあります。治療が遅れたり、ずれが大きいまま治ったりすると、骨端線が早く閉じてしまい、足首の変形や成長障害につながることがあります。
そのため、早めに正確な診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。

脛骨遠位骨端線損傷の症状

主な症状は、足首の強い痛みと腫れです。受傷直後から体重をかけられなくなり、歩けないこともあります。押さえると強い痛みがあり、足首の動きが悪くなることもあります。
骨のずれが大きい場合には、見た目で変形がわかることもあります。スポーツ中のけがや転倒のあとに、足首の痛みが強く、捻挫よりも症状が強い場合には注意が必要です。
また、治療後しばらくしてから骨の成長に左右差が生じ、足首の傾きや変形が目立ってくることもあるため、受傷後の経過観察も重要です。

脛骨遠位骨端線損傷の原因

多くは、転倒、転落、ジャンプの着地、スポーツ中の衝突やひねりなど、足首に強い力が加わることで起こります。成長期のお子さんでは、靱帯よりも骨端線のほうが弱いため、大人なら捻挫ですむような外力でも、子どもでは骨端線損傷として起こることがあります。
とくにサッカーやバスケットボールなど、走る・跳ぶ・急に方向転換する動きの多いスポーツで起こりやすいけがです。

脛骨遠位骨端線損傷の検査

診断には、まず受傷機転の確認と身体診察が重要です。足関節周囲の腫脹、圧痛、変形の有無、荷重可能かどうか、関節可動域制限の有無を確認します。成長期の足関節外傷では、靱帯損傷だけでなく骨端線損傷を常に念頭に置く必要があります。そのために必ず健側のレントゲン(けがをしていない方)も評価します

画像の基本は単純X線検査です。骨端線離開の有無、転位の程度、骨折型、腓骨骨折合併の有無を評価します。骨折型はSalter-Harris(ソルターハリス)分類に基づいて評価し、本外傷ではII型が多く、III型やtriplane骨折を含むこともあります。

とくにSalter-Harris II型では、脛骨遠位骨片後方の骨幹端骨片、いわゆる後方spikeの大きさが整復の難易度に関係する可能性があります。文献では、後方spikeの底辺が骨端線前後径の3分の1以上ある症例では徒手整復が困難で、観血的整復を要したとの報告もあります。(下の画像は当院を受診された患者さんのレントゲンです。このケースでも後方spikeを修しており、徒手整復は困難で手術加療となりました。)

治療後の評価では、単に骨癒合の有無だけでなく、足関節の内反・外反変形、骨端線早期閉鎖の有無を確認することが重要です。これらは受傷直後には明らかでないこともあるため、健側との比較を含めた定期的なX線フォローが必要です。

脛骨遠位骨端線離開(Type:Ⅱ):当院で施行したレントゲンです
脛骨遠位骨端線離開(Type:Ⅱ):当院で施行したレントゲンです

脛骨遠位骨端線損傷の治療

治療の目的は、骨端線損傷に伴う将来的な成長障害や足関節変形を防ぐために、できるだけ正確な解剖学的整復位を得ることです。とくに転位を伴う症例では、整復の質が予後に大きく関わります。

まず徒手整復を行い、整復位が良好に得られるかを確認します。徒手整復後も2 mm以上の転位が残る場合や整復不能例では、観血的整復固定の適応となります。これは、整復不良が骨端線早期閉鎖や変形治癒の一因となりうるためです。

観血的整復を要する症例では、整復阻害因子として骨膜の嵌入が問題となることがあります。固定方法としては、経皮的K-wire固定または観血的整復固定が選択され、腓骨骨折を合併している場合には腓骨の固定を併施することもあります。

術後は外固定を行い、骨癒合を確認しながら段階的に荷重を開始します。最終的な治療成績は概ね良好ですが、一部では骨端線早期閉鎖傾向が認められることがあり、成長障害が生じてこないかを確認するため症状が軽快していても成長期のあいだは慎重な経過観察が必要です。

参考文献)

・廣田高志,尾上英俊,亀川史武.脛骨遠位骨端線離開の手術治療経験.骨折.2014;36(2):375-377.

・中川翔太, 岩指仁, 内田亘, ほか. 当院の小児脛骨遠位骨端線損傷の治療経験. 骨折. 2023; 45(suppl): S496.

記事監修:曽我部 祐輔 医師 (三国ゆう整形外科 院長/日本整形外科学会認定 整形外科専門医)

先生から一言

脛骨遠位骨端線離開は、適切に治療すれば良好に治ることが多いけがです。
ただし、成長期の骨端線を傷める外傷であるため、将来的な変形や成長障害を防ぐためには、受傷直後の正確な診断と、治療後の丁寧な経過観察が大切です。
足首を強くひねったあとに、痛みが強い、腫れが強い、歩けない、変形があるといった場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

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