整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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全身性エリテマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は、遺伝素因と環境因子を背景に免疫寛容が破綻することで生じる自己免疫疾患です。自分の体を守るはずの免疫が自分自身の組織を攻撃し、多彩な自己抗体や免疫複合体が関与して、皮膚、関節、腎臓、肺、心臓、脳、血液など全身のさまざまな臓器に炎症を起こします。若い女性(20〜40歳)に多い病気ですが、年齢や性別を問わず発症することがあり、症状が悪化する時期(フレア)と落ち着く時期を繰り返しながら経過するのが特徴です。

当院は整形外科ですが、関節痛、手のこわばり、原因のはっきりしない全身の痛み、強い倦怠感などを主訴に受診された方の中に、検査を進めることでSLEが疑われ、最終的に診断に至った方を複数経験しています。そのため、長引く関節痛や全身のだるさがある場合には、整形外科疾患だけでなく、膠原病や自己免疫疾患の可能性も考えることが大切です。

全身性エリテマトーデス(SLE)の症状

SLEでは、発熱、関節炎、漿膜炎などの全身症状、蝶形紅斑などの皮膚粘膜症状、さらに中枢神経症状や糸球体腎炎といった多彩な臓器病変がみられます。症状の現れ方は非常に幅広く、患者さんごとに異なります。

整形外科の外来で問題となりやすいのは、関節痛、関節の腫れ、朝のこわばり、筋肉痛、全身の痛み、倦怠感です。手指、手関節、肘、膝など複数の関節に症状が出ることもあれば、痛む場所が移り変わるように感じることもあります。画像検査でははっきりした異常が目立たないのに、痛みやだるさが強いという形で受診されることもあります。

そのほか、頬に出る赤い発疹、日光に当たると悪化する皮疹、口内炎、脱毛、微熱、胸の痛み、息苦しさ、むくみ、頭痛、しびれ、けいれん、気分の変調、貧血や白血球減少など、全身に症状が及ぶことがあります。SLEは「関節のみの病気」ではなく、全身の炎症性疾患です。

全身性エリテマトーデス(SLE)の原因

SLEは、単一の原因で発症する病気ではありません。体質としての遺伝的素因に、紫外線、ホルモン環境、薬剤などの環境因子が加わり、免疫の異常が引き起こされると考えられています。免疫寛容が破綻すると、本来は自分を攻撃しないはずの免疫系が自己成分に反応し、多彩な自己抗体を産生するようになります。これらの自己抗体や免疫複合体が全身の組織に影響し、皮膚、関節、腎臓、神経、血液、漿膜などに炎症や障害を引き起こします。

SLEの発症や増悪には、感染症、とくにウイルス感染が関与することがあります。実際には、初発の症状がウイルス感染のようにみえたり、ウイルス感染をきっかけにSLEの病態が顕在化したりすることがあり、感染症と自己免疫疾患の境界が初期にはわかりにくい場合があります。

全身性エリテマトーデス(SLE)の検査

SLEの診断は、症状、身体所見、血液検査、尿検査、必要に応じた画像検査や専門科での精査を組み合わせて総合的に判断します。SLEの診断は2019年に発表された欧州・米国リウマチ学会の分類基準に基づいて行われるとされています。

まずは血液検査で抗核抗体、抗dsDNA抗体、補体価、血算、炎症所見などを確認し、SLEが疑わしい場合は尿検査で蛋白尿や血尿の有無を調べます。腎障害が疑われる場合には腎炎の評価が重要になります。SLEは多臓器疾患であるため、関節症状だけでなく脱毛、皮疹、口腔潰瘍、全身症状、尿異常、血液異常を見落とさないことが重要です。

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療

治療目標は、全身症状や臓器障害のない寛解を目指すことです。そのためには、疾患活動性を抑え、再燃を防ぎ、薬剤による副作用をできるだけ減らしながら、長期的な臓器障害の蓄積を防ぐ必要があります。SLEは寛解と再燃を繰り返す疾患であり、治療戦略としては再燃を抑制し、薬物毒性を最小限にしながら臓器障害を回避することが重視されています。

従来、SLEの治療はグルココルチコイド(ステロイド)と免疫抑制薬が中心でした。疾患活動性が高い場合や重症臓器病変がある場合には、これらを組み合わせて速やかに炎症を抑えます。一方で、ステロイドは長期使用による副作用が問題となるため、近年は必要最小限の使用にとどめ、維持療法では可能であれば減量・中止を目指す考え方が強調されています。

また、ヒドロキシクロロキンは標準的基本薬として、禁忌がないSLE患者に推奨される重要な薬剤です。さらに、標準治療で効果不十分な場合には、ベリムマブ、アニフロルマブ、リツキシマブなどの分子標的薬が用いられるようになってきました。これらは難治病態の制御、ステロイド減量効果、再燃抑制効果が期待されており、SLE治療の選択肢を広げています。

SLEの治療は難しく、当院では診断がつき次第、提携病院の膠原病内科・免疫内科にご紹介しています。

参考文献)

・中山田真吾,田中良哉.全身性エリテマトーデス.Pharma Medica.2025;42(1):13-17.

記事監修:曽我部 祐輔 医師 (三国ゆう整形外科 院長/日本整形外科学会認定 整形外科専門医)

先生から一言

関節痛、手のこわばり、全身の痛み、原因のはっきりしない倦怠感が続く場合、整形外科の病気だけでなく、SLEのような自己免疫疾患が隠れていることがあります。とくに、関節症状に加えて微熱、皮疹、口内炎、脱毛、日光で悪化する症状、むくみなどがある場合には注意が必要です。

当院では、整形外科として関節や痛みの診療を行うだけでなく、症状の背景に膠原病や自己免疫疾患が隠れていないかも意識して診察しています。必要に応じて血液検査・画像検査を行い、SLEが疑われる場合には、膠原病内科やリウマチ内科などの専門医療機関へ速やかにご紹介します。気になる症状が続く方は、お早めにご相談ください。

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