整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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けが(外傷)

足趾骨折

足趾骨折(toe-fracture)とは

足趾骨折は、母趾(親指)から第5趾(小指)までの趾骨(基節骨・中節骨・末節骨)に生じる骨折のことを指します。

受傷のきっかけとして多いのは、机やいす、ベッドなどの家具に足趾をぶつけてしまうケース(いわゆる「足の小指を強打した」など)で、日常生活の中のちょっとした衝突で起こることが少なくありません。

家具にぶつけることは、足指骨折のよくある原因です

足趾骨折の症状

足趾骨折では、受傷直後から骨折部に一致した強い痛みが出ます。歩くと痛みが増えやすく、とくに「蹴り出し」や「つま先に体重をかけたとき」に痛みが強くなるのが特徴です。

時間がたつにつれて腫れ(腫脹)や皮下出血(内出血)が目立ってきて、押したときの痛み(圧痛)もはっきりしてきます。

骨がずれている(転位がある)場合は、指の形が変わったり、指の向き(軸)がずれたりします。また、ねじれ(回旋変形)があると、爪の向きが不自然になったり、隣の指と重なって見えたりすることで気づくことがあります。しかし骨折していても、見た目が全く変わらない場合もあるので、レントゲンを撮らずに骨折がないと診断することはできません。

末節骨(指先の骨)の骨折では、爪の下に血がたまる(爪下血腫)ことや、爪のまわりの痛みを伴うことがあります。さらに、爪の下の皮膚(爪床)が切れている場合は、皮膚が破れて骨折部が外界と交通する「開放性損傷」として、感染を防ぐための処置が必要になることがあります。

部位別の頻度では、第5趾が45.5%と最も多く、次いで第4趾が25.4%です。趾節(骨の部位)でみると、第1趾の骨折は末節骨に多く、第4趾・第5趾では基節骨と末節骨に多い傾向があります。

足の指が赤く腫れあがることもあります(骨折していても腫れないこともあります)

足趾骨折の原因

足趾骨折の受傷機転(ケガのきっかけ)は、「つまずいた」「足先をぶつけた」などの軸圧(つま先の方向に押し込まれる力)によるものが58.5%と最も多く、次いで「落下物が当たった」「踏まれた」など背側(足の甲側)からの外力が20.5%、それ以外が21%だったと報告されています。趾ごとにみても軸圧による受傷が半数以上を占め、とくに第5趾では軸圧が63.7%と多かったとされています。

第5趾に骨折が多い理由としては、足の外側の端に位置するため、家具や段差などに当たりやすく、他の趾より外力にさらされやすいことが挙げられます。加えて、第5趾は構造的に脆弱である可能性も考えられています。さらに、趾節癒合(骨が一部くっついている状態)を有する第5趾では骨折が起こりやすくなります。

足趾骨折の検査

足趾骨折は、まずレントゲン(X線)で骨折の有無を評価します。ただし、骨折線がはっきり写らない「不顕性骨折(Occult fracture)」も存在するため、実際には骨折の診断が必ずしも簡単とは限りません。当院では、高精度のレントゲン撮影に加えて拡大画像も活用し、わずかな骨折を見逃しにくいよう工夫しています。

臨床では画像検査の前に、受傷機転、疼痛部位、腫脹・皮下出血の程度、変形(軸のずれ・回旋変形)、爪床損傷の有無、神経血管所見まで丁寧に確認します。レントゲンで骨折がはっきりしない場合でも、症状と診察所見を踏まえて総合的に再評価し、追加撮影や経過での再撮影を検討します。特に第4趾・第5趾は骨折線が目立ちにくく、診断が難しいことがあります。

足趾骨折の治療

治療方針を考える際は、「軽症だから放置」で終わらせず、痛みの強さ、変形(回旋を含む)の有無、爪の損傷(爪下血腫・爪床裂創など)を確認します。さらに、仕事やスポーツによる機能的要求度、見落としリスクも踏まえ、保存療法の内容とフォロー計画を具体的に決めることが重要です。

転位が小さい足趾骨折の多くは保存療法が基本です。バディ固定やシーネ固定で趾の動揺を抑え、痛みに応じて荷重を調整します。腫れが強い急性期は挙上・安静、冷却、消炎鎮痛薬で疼痛と炎症をコントロールし、痛みが落ち着いたら、無理な負荷を避けながら段階的に可動域を回復させ、関節拘縮を予防します。

末節骨骨折で爪下血腫や爪床裂創を伴う場合は、骨折だけでなく皮膚・爪床損傷の評価が治療の質を左右します。開放性損傷が疑われるときは、洗浄や創処置、感染予防を含めた対応が必要です。

一方、明らかな転位や回旋変形がある場合、関節内骨折で関節面の不整が問題となる場合、母趾などで蹴り出し機能への影響が大きい場合、あるいは開放骨折や神経血管障害を伴う場合には、整復固定を含めた治療を検討します。

足趾骨折は自然に軽快しやすい一方で、見落としや変形治癒が残ると、靴当たりや慢性的な痛みの原因になり得ます。そのため、早期に正確な評価を行い、適切な固定と経過観察を組み合わせて進めることが合理的です。

参考文献)

・浅見泰宏:ヒト足趾骨の趾節癒合と足趾骨折に関する臨床的研究.杏林医学会雑誌 32(3):175-180,2001.

記事監修:曽我部 祐輔 医師 (三国ゆう整形外科 院長/日本整形外科学会認定 整形外科専門医)

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