整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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骨粗鬆症

骨粗しょう症(骨粗鬆症)

骨粗しょう症は「骨折につながる恐ろしい病気」

骨粗しょう症(Osteoporosis)は骨の量が減少し、骨の質が悪くなり、骨折しやすくなる疾患です。骨折するまであまり症状がなく、ある日突然、ささいなけがで骨折してしまいます。「身長が縮んできた」「背中が曲がってきた」「慢性的な腰痛が続いている」などの症状がある方は、骨粗しょう症による「いつの間にか骨折」を起こしている可能性があります。

骨粗鬆症によるいつのまにか骨折を繰り返すことによって背中がどんどん曲がってきてしまいます
骨折を繰り返すことによって背中が徐々に曲がり、身長が低くなってきます

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症は、病気そのものでは痛みなどの症状が出にくいのが特徴です。しかし骨折をきっかけに症状が現れることがあり、たとえば背中や腰の痛みが続く、身長が2cm以上低くなってきた、背中や腰が丸くなってきた(猫背・円背)といった変化が見られます。こうしたサインに気づいたら、早めにご相談ください。

また、骨粗しょう症は動脈硬化と一緒にみられることが多く、心筋梗塞の危険性は糖尿病の方と同程度に高いと報告されています。さらに高齢の方では、軽い転倒でも起こる脆弱性骨折が、その後の生命予後を不良にする重要な手がかりになることが知られています。つまり、骨粗しょう症は「骨だけの問題」ではなく、全身の健康にも関わる病気です。検査と治療で骨折を防ぐことが、痛みの予防だけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながります。

痛みがなく起こる「いつのまにか骨折」

椎体骨折(せぼねの骨折)の約3分の2は無症状です。「あきらかな痛みが無く骨折を起こすことがある」のが恐ろしいところです。背中の痛みがある人だけを脊椎骨折の疑いとすると多くの骨折を見逃してしまうことになります。「背中や腰が曲がってきた(脊柱後弯変形)」「身長が低下した」(特に4cm以上は脊椎骨折を強く疑うとされています)「頭上のものを取りにくくなった」などから骨折を疑って、背骨のレントゲン検査と骨密度検査を行うことが重要です。

頭上のものが取りにくくなることは見逃されがちな骨粗鬆症によるいつの間にか骨折の症状です
頭上のものが取りにくくなることは見逃されがちないつの間にか骨折の症状です

骨粗しょう症のリスク因子

以下のような状態がリスクになることが知られています。

・高齢(加齢の伴い骨折リスクは指数関数的に上昇します)

・閉経後や加齢による女性ホルモンの低下

・運動量の絶対的不足(臥床安静、対麻痺、廃用症候群:いわゆる寝たきりに近い状態)

・無理なダイエット、やせ型

・タバコ(リスクは1.25~1.76倍に増大)

・過度の飲酒(リスクは1.38~1.68倍に増大)

・既存骨折(これまでに骨折したことがある方)

・骨折の家族歴(親の大腿骨近位部骨折で同部位の相対的リスクは2.3倍にもなります)

・骨量低下をきたす種々の疾患

関節リウマチ、糖尿病、腎障害、肝障害、アルコール依存症、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、性機能不全症、Cushing症候群、45歳未満の早期閉経、胃切除後などの吸収不良症候群、神経性食欲不振症、ビタミンAまたはD化上昇、ビタミンC欠乏症、骨形成不全症、Marfan症候群など

・種々の薬剤

ステロイド、ワーファリン、メトトレキサート、ヘパリン、SSRI(抗うつ薬)、抗がん剤(性ホルモン低下療法)乳がんに対するアロマターゼ阻害剤、前立腺がんに対するアンドロゲン除去療法など

骨粗しょう症による「ドミノ骨折」に注意

骨粗鬆症による骨折は連鎖的に生じることが特徴であり、骨折予防のために早期の治療介入が望まれる最大の理由となっています。胸腰椎の骨折は、その後の骨折リスクを約4倍に上昇させ、骨折連鎖を招きます。また、大腿骨近位部骨折後の反対側の再骨折率は約10%にも及びます。骨折により日常生活活動(ADL)が障害され転倒しやすくなることも原因と考えられます。

そのため、特に既存骨折を有する高齢者に対する積極的な骨折予防策が重要となります。骨粗しょう症の治療には薬物療法が主体となり、転倒予防にはサルコペニアやフレイルへの対策が主体となります。

骨粗しょう症の検査

①骨密度測定検査

三国ゆう整形外科では「腰椎」「大腿骨」で測定するガイドラインに準拠した骨密度測定機器「Prodigy Fuga C」を導入しています。保険適応で、予約不要で検査ができ、当日すぐに結果をご説明できます。

骨密度検査に基づいた骨粗鬆症の診断基準としては以下の3つの基準があります

・「大腿骨近位部骨折または椎体骨折がある」

・「大腿骨近位部・椎体骨折以外の脆弱性骨折」+骨密度<80% YAM(Young Adult Mean)」

・「脆弱性骨折がない」+「骨密度≦70% YAM(もしくは≦-2.5SD)」

・骨密度 70~80%では「骨量減少」と判断されます。骨粗鬆症予備軍として生活習慣指導、定期的な骨密度検査フォローを行います。

②胸腰椎のレントゲン

「大腿骨近位部骨折または椎体骨折をしたことがある」場合は、骨密度が正常範囲内でも骨粗しょう症と診断されます。大腿骨骨折は見逃されることはありませんが、椎体骨折はいつの間にか骨折として見過ごされていることがあります。したがって、骨密度検査のみではなく胸腰椎移行部のレントゲン検査(椎体の正面・側面・前後屈像)が必要です。

③血液検査

肝機能・腎機能・血中カルシウムに加えて、骨代謝マーカー(TRACP-5b、P1NP)ビタミンDを採血で確認します。骨代謝マーカーで「骨を作る/壊す」のバランスを把握し、治療方針の選択に役立てます。ビタミンD不足は治療効果を下げるため要チェックです。さらに、この採血は白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫など、腰痛や関節痛の原因となる他の病気が隠れていないかの確認にも有用です。

骨粗しょう症の治療

運動(背筋の強化、下肢の筋力トレーニング、転倒予防のための歩行訓練)・食事・日光をしっかり浴びることが、治療の基本になります。とはいえ、生活習慣の改善だけでは十分でないことも多く、薬による治療が大切です。治療は「一次予防(まだ骨折はないが、骨折の危険が高い方に骨折を起こさせない)」と「二次予防(すでに骨折がある方の再骨折を防ぐ)」に分けて考えるのがポイントです。骨粗鬆症の薬は大きく「①骨吸収抑制薬」「②骨形成促進薬」「③骨代謝改善薬」の3種類に分かれます。

① 骨吸収抑制薬
・ビスホスホネート(アレンドロン酸、リセドロン酸、ミノドロン酸など)
 骨を壊す働きを抑えて、骨折の予防に役立ちます。

・デノスマブ(プラリア)
 骨を壊す細胞の働きを強力に抑え、骨密度を高めます。

・SERM(選択的エストロゲン受容体調節薬)
 骨の質を改善するだけでなく、脂質代謝異常(高コレステロール血症など)の改善や、エストロゲン受容体陽性乳がんの発症リスクを下げるといった良い副次効果もあります。比較的若い年代で生活習慣病を伴う骨粗鬆症では、まずSERMの使用を検討します。

・カルシトニン
 骨吸収を抑えるはたらきがあり、痛みの軽減にも用いられることがあります。現在ではあまり使われなくなりました。

・ロモソズマブ(イベニティ)
 骨を作るはたらきを促すだけでなく、骨吸収を抑える作用も兼ね備えています。

② 骨形成促進薬
・テリパラチド
・ロモソズマブ(イベニティ)
 いずれも新しい骨を作る力を高める薬です。ロモソズマブは骨形成促進に加え、骨吸収抑制の働きもあります。

③ 骨代謝改善薬
・活性型ビタミンD(エディロール、エルデカルシトール)
・ビタミンK₂
 骨の代謝バランスを整える薬で、①や②と併用して使うことで、治療効果を下支えします。

以上を組み合わせ、生活習慣の見直しに適切な薬物療法を加えることで、骨折を起こさない・繰り返さないことを目指します。歯科受診のタイミング調整なども含め、安心して続けられる治療計画を一緒にご相談することができます。

*副作用と安全性について
どの薬にも少ないながら副作用がありますが、骨粗鬆症を放置すると新たな骨折を起こすリスクが高いため、治療で得られるメリットが上回ることがほとんどです。治療を始めるかどうかは、リスクとベネフィット(利益)のバランスを考えて決めますが、骨粗鬆症ではベネフィットが特に大きいと考えられています。
とくにビスホスホネートやデノスマブでは顎骨壊死がまれに起こることがあり、口の中の状態が悪い場合に起こりやすいとされています。虫歯がある、抜歯の予定があるなどの場合は、先に歯科で治療を受けてから骨粗鬆症治療を始めます。

「骨折の連鎖」を断つ!骨折・寝たきりを全力で予防します!

骨粗鬆症の発見・早期治療をしっかり行うことにより骨折を予防することが可能です。健康寿命を伸ばしていつまでも元気に、自分のやりたいことができる人生を目指しましょう。また加齢や運動不足、廃用によって筋肉、特に背筋が弱い人も圧迫骨折を起こしやすく、リハビリテーションで筋力訓練を行うことも重要です。

すでに骨折を経験してしまった方でも治療は必要です。脆弱性骨折をきたした方は連鎖骨折(ドミノ骨折)をきたしやすいことを患者さま、ご家族に知っていただくことも大切です。

三国ゆう整形外科は「患者さんに骨折をおこさせない!」をモットーに、生涯元気に生きるお手伝いをします🍀

先生から一言

女性では50歳くらいから骨量が低下し始めますので、閉経後は一年に一度、男性では70歳以降の方は定期的に骨密度の検査をすることをおすすめします。
骨粗しょう症が引き金となる骨折は寝たきり、要介護につながります
生涯元気に、自分らしく過ごすためにまずは検査行い、しっかり治療を継続していきましょう
骨折したことがある方、骨粗鬆症の検査を受けてみたかったけどなかなか受診する機会がなかった方、高齢のご家族が心配なかたなど、あらゆる悩みに全力でサポートを行います

三国ゆう整形外科の最大の使命は、骨粗鬆症による脆弱性骨折を予防し健康寿命を最大限のばすこと、そしていつまでも自分らしく元気に生きるお手伝いをすることです

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