整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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2026.04.19 整形外科一般

朝の指のこわばり、もしかしてリウマチ?更年期に多い指の痛みの原因は?

こんにちは。阪急三国駅近くの「三国ゆう整形外科」院長の曽我部です。

朝起きたとき、「指がこわばって動かしにくい」「指の関節が痛い、腫れている」と感じたことはありませんか? 当院には、40代から60代の女性の患者さんから、このようなご相談が毎日のように寄せられます。「もしかして関節リウマチ?」「指が変形して治らないの?」と不安を抱えて来院される方も少なくありません。

今回は、更年期の女性に多い指のトラブルの原因と、整形外科で行う「リウマチや他の疾患との見極め(鑑別診断)」の重要性について、整形外科専門医の視点を交えて詳しく解説します。

監修:三国ゆう整形外科 院長 曽我部 祐輔(整形外科専門医)

【更新情報:2026年4月16日】

本記事は医学論文、整形外科専門医の知見に基づき、記載しています。現在、痛みやこわばりを感じている方はぜひ改めてご一読ください。

更年期の「指の痛みやこわばり」、女性ホルモンの減少が原因かも?

40代〜60代の女性が訴える最も頻度が高い症状の一つが、関節や筋肉の症状です。海外の研究でも、更年期における関節痛やこわばりの頻度は半数以上におよぶと報告されています。

この原因と深く関わっているのが、女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。エストロゲンには、関節の滑膜(かつまく)や腱を保護し、炎症を抑える「潤滑油」のような働きがあります。閉経の前後でこのホルモンが急激に減少すると、関節を保護する機能が低下し、指の痛み、腫れ、朝のこわばりといった症状が現れやすくなります。

へバーデン結節(第一関節の腫れや変形)」や「ブシャール結節(第二関節の腫れ)」、そして「ばね指(腱鞘炎)」といった疾患も、この年代の女性に非常に多く見られるのが特徴です。

放置すると手が変形する!骨破壊を伴う「関節リウマチ」

更年期の関節症状において、チェックしなければならないのが、「器質的疾患(明らかな病気)」が隠れていないかどうかです。その筆頭が「関節リウマチ」です。

更年期による指の症状と、関節リウマチの初期症状は非常に似ています。特に関節リウマチは、指の第二関節(PIP関節)や付け根の関節(MP関節)から発症することが多く、「朝のこわばり」は初期から現れる重要なサインです。

関節リウマチは、免疫が誤って自分の関節(関節滑膜)を攻撃してしまうことにより、関節に炎症が起こり、関節が破壊されてしまう病気です。女性が約70%を占めますが、男性にも少なくありません。

また閉経による女性ホルモンの減少がリウマチの発症に関連していることも示唆されています。2024年の文献では、「閉経後の女性はリウマチの発症リスクが約1.3倍高くなる」「45歳未満で早期閉経を迎えた方は、リスクが約3倍にまで跳ね上がる」という結果が出ています。

放置すると「進行性の骨破壊(関節の破壊と変形)」をきたし、日常生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。 しかし早期に発見して積極的な治療(抗リウマチ薬など)を行えば、関節の破壊を食い止め、これまで通りの生活を送ることが十分に可能になっています。だからこそ、「ただの更年期、年齢のせいだ」と思い込んで放置せず、早期発見、早期治療することが大切です。

リウマチにより変形した手 © Hand and Wrist Institute. 

リウマチだけじゃない?更年期関節炎と見分けるべき他の疾患

更年期の関節炎とまぎらわしい症状が出る疾患はリウマチだけではありません。

日常診療で最もよく見られるのは「変形性関節症」で、指の第1関節(DIP関節)が硬く腫れるヘバーデン結節、第2関節(PIP関節)が腫れるブシャール結節などが代表的です。

また、目や口の乾燥を伴う「シェーグレン症候群」や、首や肩、太ももなどに急激な痛みと微熱が出る「リウマチ性多発筋痛症」なども、更年期以降の女性に注意が必要な疾患です。さらに、手指の冷えや皮膚・筋肉の症状を伴うその他の膠原病強皮症全身性エリテマトーデスなど)や、末梢性脊椎関節炎(pSpA)、乾癬性関節炎などが隠れているケースもあります。痛みの原因が「加齢による変形」なのか「免疫の異常」なのかは専門医でないと判断が難しいため、「更年期だから」と放置せず、まずは専門医による正確な診断を受けることが大切です。

「健診で異常なし」でも要注意。リウマチを見分ける血液検査

当院では、触診や画像検査(レントゲン・エコー)に加え、的確な診断の要となる「血液検査」を非常に重視し、以下の専門項目を調べます。

  • 抗CCP抗体・リウマトイド因子(RF): リウマチ特有の抗体(※抗CCP抗体は早期発見に極めて有用です)
  • CRP: 体内の強い炎症反応の有無
  • 抗核抗体などの自己抗体: シェーグレン症候群など、他の膠原病の可能性

これらの項目は、一般的な健康診断や人間ドックには含まれないことが多く、「毎年の健診は異常なし」という方でもリウマチ等の疾患が隠れているケースは珍しくありません。専門的な検査を行って初めて、単なる更年期の関節痛なのか、リウマチ等の病気なのかを高精度で見分けることができます。

もし検査結果がすべて陰性(異常なし)であれば、器質的な疾患がない「更年期による関節症状」として確定できるため、その後は安心して内服薬や外用薬、エクオール等のサプリメントを用いたケアに専念していただけます。

最後に:一人で抱え込まず、まずは整形外科専門医にご相談を

「こんなことで病院に行ってもいいのかな」「大げさだと思われないかな」と悩む必要は全くありません。 早期に適切な検査を受け、正しい診断をつけることが、指の変形を防ぎ、痛みのない日常生活を取り戻すための第一歩です。

朝の指の違和感、こわばり、痛みにお困りの方はぜひお気軽に三国ゆう整形外科へご相談ください😊

参考文献

Namavari N, Jokar M, Ghodsian A, et al. Menopausal state and rheumatoid arthritis: a systematic review and meta-analysis. BMC Rheumatol. 2024;8:48.

松本 功. 関節痛. 産科と婦人科. 2025;92(9):1004-1008.

前山 彰. 関節リウマチの診断 – 中~上級編. 関節外科. 2025;44(12):1209-1216.

鈴木 康夫. 持続する関節痛と器質的疾患の可能性. 日本医事新報. 2013;(4663):78-79.

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