整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

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2023.05.04 整形外科一般

レントゲン&骨密度検査は安心?放射線被ばくについての正しい知識

みなさまこんにちは。院長の曽我部と放射線技師の安本です。

整形外科では「骨や関節の評価を行うためのレントゲン検査」、「骨粗しょう症の診断のための骨密度検査」を行います。これらの検査では放射線被ばくが伴うため、「放射線は大丈夫ですか?」と患者さまから質問をいただくことが時々あります。2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の報道では被ばくに関する報道が連日なされていたこともあり、放射線は「なんだかよくわからないけど体に悪いもの」という認識が一般的なのではないかと思います。

この記事では、検査に伴う放射線被ばくについて、「整形外科医・放射線技師の視点」から分かりやすく解説し、安心して検査を受けていただけるように医学的に正しい情報をお伝えします。

放射線ってそもそも何?

放射線は、原子の中にある小さな粒子が動いたり変化したりするときに発生するエネルギーです。

放射線には、電磁波による光線のような電磁放射線と、放射性物質から放出される粒子線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)の2種類があります。太陽からの光や、電子レンジ、テレビ、携帯電話から出る電磁波は日常でよく接する放射線の一種です。

レントゲン検査で用いるX線(電磁波)も放射線の一種です。X線が物体を透過する性質をもち、さまざまな物体ごとに透過する量が異なることを利用して、骨や肺などの体内の状態を確認することができます。

放射線は強力なエネルギーを持ち、医療においてはレントゲン、CTなどの検査のみならずがん治療、血管ステント手術などにも応用されており、現代医学においてはなくてはならない技術です。その反面、過剰な量を被ばくすると生物にとって健康被害を引き起こす(細胞やDNAを傷つけることがある)という負の側面ももちます。そのため医療現場においては常に安全性に配慮した対策を行っています。

レントゲン検査は、放射線が体の各々の組織で透過する量が異なることを利用しています
レントゲン検査は、放射線が体の各々の組織で透過する量が異なることを利用しています

放射線って危ないの?

放射線はなじみがないように感じますが、実はとても身近なもので、日常生活でも放射線を少しづつ被ばくしています。最たる例は太陽からの紫外線による被曝ですが水に含まれるヨウ素、牛肉に含まれるセシウムといった食材に含まれる放射性物質からも、ごくわずかですが被ばくしています。東京とサンフランシスコの間を飛行機で移動する場合、往復で約0.1mSv(ミリシーベルト:放射線被ばく量の単位)の被ばくを受けるとされています。

また1人あたりの年間被曝量は世界平均で約2.4mSv、日本は約1.5mSv程度と言われています。

一年間にどのくらいの量を浴びても大丈夫なのか?という議論には確たる結論は出ていませんが、一つの指標として、放射線技師などの放射線作業従事者の年間被曝量限度が「50.0mSv」とされているのでこれを一つの指標と考えることはできるでしょう(この数字はかなり余裕を持った安全値とされており、これを上回ったからと言って直ちに健康被害が出るというわけでもありません)

人間の身体は、自己修復機能を有しているため、放射線で少々組織が傷ついても治してしまえるため、この修復量を上回らない量の放射線量にとどめる必要があります。

レントゲンやCT検査での被ばく量は安心なの?

医療で行う検査における放射線被ばく量は、おおむね以下の通りです

胸部CT:6.9(2~10)mSv

胸部レントゲン(1回撮影):約0.02-0.1 mSv

頚椎レントゲン:約0.02-0.03ミリシーベルト(mSv)

胸椎レントゲン:約0.07-0.1 mSv

腰椎レントゲン:約0.1 mSv

膝関節レントゲン:約0.01-0.03 mSv

骨密度測定(DXA):0.001〜0.01 mSv


上記の数値をみてわかることは、レントゲン検査における放射線被ばく量は「きわめて小さい」ということです。例えば膝のレントゲンであれば年間1667~5000枚も撮影しないと上限量には達しません。CTと比較しても約1/690と極めて小さい値です。

特に骨密度検査はレントゲンと比較しても(6900分の一程度!)はるかに被ばく量が少なく、非常に安全性の高く、メリットが大きい検査です。

骨密度検査は胸部CTの6900分の一の被ばく量できわめて被ばく量の少ない検査です

X線の影響は、200mSv以上のX線を一度に全身に受けない限り、身体に何らかの症状が現れることはほとんど無いとされています。この点から見ても、通常のレントゲン検査で何かしらの影響が出ることはないと考えられますね。

ちなみにがんの放射線治療における放射線被ばく量はおおむね「胸のX線写真:約10000回分
CT撮影:約400回分」に相当し、レントゲン検査とは比べ物にならない被ばく量となります。

子供がX線検査を受けても大丈夫?


外来でとてもよく質問されます。お子さんは身体が成人より小さく、その分撮影に必要なX線の量も少なくなります。したがって、皮膚表面線量も小さくなるので、X線による放射線被ばく量は大人よりも小さくなります。レントゲン検査においてお子さんの成長障害を心配する必要は医学的にはありません。

レントゲン検査は年間に何回も撮影しても大丈夫?


整形外科は骨折、脱臼、関節の変形など骨の異常を診断する必要があり、レントゲン検査は基本かつ必須の検査といえます。 医師はそもそも被ばくによるリスクよりも病気の発見や治療に検査が不可欠であると判断した場合にのみ検査を実施しています。

骨折の治療過程において骨がしっかりくっついてきているか、背骨の側弯症が徐々に進行してこないかなど、一度のみではなく複数回の検査が必要となることのほうが多いといってよいでしょう。

また一つの部位に対しても、正面、側面、斜位(ななめから)などの複数の方向から撮影することによりCT検査よりはるかに少ない被ばく量で、立体的に詳細な情報が得られ、骨折や疾患の見逃しを防ぐことができます。そのように複数枚撮影するケースにおいても被ばく量の総和は極めて少なく、体への悪影響はまずありません。

まとめ:レントゲン検査による悪影響はまずない

上記の内容をまとめると「医療機関で行うレントゲン検査・骨密度検査に伴う放射線被ばくによる悪影響はまずない」ということになります。放射線被ばくを無用に恐れず、必要な検査をしっかり受けて診断、治療、予防に役立てましょう。

放射線被ばくを過度に恐れず、適切な検査を受けることがよい治療を受けることにつながります🍀
放射線被ばくを過度に恐れず、適切な検査を受けることがよい治療を受けることにつながります🍀

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