整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗しょう症外来・ペインクリニック

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2025.12.15 骨粗しょう症

【大阪・三国】整形外科専門医が解説|骨粗しょう症の治療ガイド

初版:2023/04/22

最終更新:2025/12/15(最新の骨粗鬆症ガイドラインの内容反映のため)

みなさまこんにちは。三国ゆう整形外科、院長の曽我部です。

「骨粗しょう症の治療、いったいいつまで続ければいいの?」

「一度減ってしまった骨密度は、治療で本当に上がるの?」

診断を受けた患者さんからよくいただく、切実な疑問です。医学の進歩はめざましく、かつては「現状維持」が精一杯だった治療も、今では「骨を増やして強くする」ことが可能な時代になりました。当院でも、骨粗しょう症による骨折を防ぐために、「薬による骨強化」だけでなく「転倒予防のリハビリ」と「栄養(たんぱく質・カルシウム・ビタミンD)支援」を組み合わせ、患者さん一人ひとりに合った骨折予防を行っており、数千人の骨粗しょう症検査・治療の実績があります。この記事では、本日は、骨の専門家である整形外科医として、骨粗しょう症治療の疑問に詳しくお答えします。

骨粗しょう症治療の柱は「生活習慣指導」「投薬」「リハビリ」です

当院が何よりも大切にしているのは、「薬を処方して終わり」にしないことです。 本当の意味で骨折を防ぐためには、薬物療法だけでなく、転倒しない体を作る「リハビリテーション」や「生活習慣の見直し」が欠かせません。 当院では、以下の3つの柱で皆様の骨の健康を支えています。

1)生活習慣指導(食事・運動・転倒予防)

骨粗しょう症治療は、日々の積み重ねが大切です。
当院では、検査結果と生活状況をふまえて、生活習慣指導も併せて行います。

  • 骨の材料を確保する食事(カルシウム・たんぱく質など)
  • ビタミンDを意識した生活(食事・日光・必要時の補充)
  • 喫煙・過度の飲酒など、骨に不利な要因の調整
  • 家の中の転倒リスク(段差・照明・履物など)の見直し

2)投薬(骨折リスクを下げる“軸”)

1. 治療の土台となる「ビタミンD」

どんな薬を使う場合でも、絶対に欠かせないのが「ビタミンD」です。ビタミンDは、薬の効果を引き出すための「必須条件」のようなものです。 当院では、まず血液検査でビタミンDが足りているかを確認し、不足している場合は必ず補うようにしています。

2. 「飲み薬」の特徴(軽症~標準的な治療)

  • 女性ホルモンに似た薬(SERM):
    • 対象: 閉経後の女性(比較的軽症の方)
    • 特徴: 背骨の骨折予防に効果があります。乳がんのリスクを減らす効果も知られています。
  • 標準的なお薬(ビスホスホネート):
    • 対象: 幅広い患者さん(第一選択薬)
    • 特徴: 長い歴史があり、骨折予防の豊富な実績があります。
    • 注意点: 起き抜けに飲んで30分横になれないなどのルールがあります(飲み込みにくい方にはゼリー剤などもあります)。

3. 「注射」の特徴(重症・骨折リスクが高い方)

  • 骨を作る注射(テリパラチド・ロモソズマブなど)
    • 対象: 骨密度が著しく低い方や、すでに骨折している方(重症例)。
    • 特徴: 新しい骨をどんどん作る「骨形成促進」の作用があります。
    • 期間: ずっと使い続けるのではなく、「1年~2年」と期間を決めて集中的に骨密度を高めます。
  • 半年に1回の注射(デノスマブ)
    • 特徴: 強力に骨の破壊を抑え、長く使うことで骨密度を大きく増やせます。半年に1回の通院で済むのがメリットです。
    • 重要: 自己判断で急にやめると、骨密度が急激に下がって骨折する危険(リバウンド)があります。やめる際は必ず医師に相談し、別の薬へ切り替える必要があります。

3)リハビリ(“転ばない身体”をつくる)

骨粗しょう症で本当に防ぎたいのは「骨折」です。骨折の引き金は多くが転倒です。
そのため当院では、理学療法士による運動療法を通じて、

  • 下肢筋力(特に股関節周囲・大腿)
  • バランス能力・姿勢制御
  • 歩行の安定性
  • 立ち上がりや階段など日常動作

を評価し、転倒予防につながるリハビリを提案します。薬と同じくらい、リハビリは“骨折予防の主役”になり得ます。なお、リハビリはすべての方に一律でお勧めするものではありません。症状や転倒リスク、生活状況を踏まえて必要性が高い方にのみご提案し、ご希望がない場合に無理にお勧めすることはありません。

薬はいつまで続けるの?

骨粗しょう症治療は短期で終わらず、「骨折予防」のため長く続ける必要があります。期間は骨密度(YAM75~80%目安)や年齢、骨折歴、血液検査等から総合判断し、目標達成後も必要に応じて「維持治療」を継続します。

薬剤ごとの注意点として、ビスホスホネート製剤は3~5年で再評価し、リスク低下なら「2~3年の休薬」、高ければ継続します。対してデノスマブは、中断で骨折リスクが高まるため自己判断で止めず、中止時は必ず他剤へ切り替えて継続します。

【当院からのお約束】 長い治療期間中、「いつまで続くんだろう…」と不安になることもあるかと思います。 当院では、検査のたびに「今はここまで改善しています」「あとこれくらい、一緒に頑張りましょう」と、治療の現在地と見通しをしっかりお伝えすることを大切にしています。

【大阪・三国】今の薬は合っている?専門医による治療相談・セカンドオピニオン

骨粗しょう症検診は「寝たきり」を防ぐ第一歩です。当院では整形外科専門医が、骨強度や転倒リスクを含めた総合的な治療を行います。 他院からの切り替えや「薬の適正確認」「専門検査(DEXA法)」のご相談も大歓迎です。検査は予約不要ですので、「買い物ついで」の気軽な気持ちで、まずは骨の状態をチェックしにいらしてください。

※紹介状がなくても受診いただけます

※お薬手帳をお持ちください

参考文献

山内美香:骨粗鬆症薬物治療Up-to-date〈ガイドライン2025年版を踏まえて〉.日本医事新報 No.5297:13-38,2025.

・Gregson CL, Armstrong DJ, Avgerinou C, et al. The 2024 UK clinical guideline for the prevention and treatment of osteoporosis. Arch Osteoporos. 2025;20:119.

監修:三国ゆう整形外科 院長 曽我部 祐輔(整形外科専門医) 

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