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2023.03.14 ワクチン接種

帯状疱疹ワクチンQ&A|効果・副反応・同時接種・予約方法

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)|淀川区(三国・十三)で予防接種をお考えの方へ

帯状疱疹は、加齢や疲労・ストレスをきっかけに潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こり、神経の走行に沿ったピリピリする痛みと発疹が特徴です。強い疼痛や帯状疱疹後神経痛(PHN)の後遺症を残すことがあります。ワクチン接種(シングリックスワクチン[不活化・2回]/生ワクチン[1回])で発症と帯状疱疹後神経痛のリスク低下が期待できます。

三国ゆう整形外科では価格・予約方法まで分かりやすくご案内いたします。かかりつけ以外の初診の方も接種可能です。淀川区(三国・十三)で帯状疱疹ワクチンをお考えの方はご相談ください。肺炎球菌ワクチンの接種にも対応しています。予防接種はお電話での予約が可能です。

大阪市の費用の助成対象です

【大阪市の帯状疱疹ワクチン費用助成(令和7年度)】

対象期間
令和7年4月1日〜令和8年3月31日までに接種した分が助成対象です。

対象となる方
① 令和7年度中に、65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳以上になる大阪市民の方
(※100歳以上は令和7年度に限り全員対象。令和7〜11年度は経過措置で「5歳刻み」、令和12年度以降は65歳のみが対象になります。)
② 60〜64歳で、HIVによる重い免疫機能障がい(身体障がい者1級相当)がある大阪市民の方
※過去に「生ワクチン1回」または「シングリックス2回」を接種済みの方は助成対象外です(シングリックス1回のみ接種済みの方は、残り1回分のみ助成対象)。

助成回数と自己負担額
・生ワクチン:助成は1回、自己負担 4,500円/回
・シングリックス(組換え・不活化):助成は2回、自己負担 11,000円/回(合計 22,000円)
※シングリックスを2回とも助成で受けるには、「1回目を令和8年1月末まで」に接種し、「2回目を令和8年3月31日まで」に完了してください。ワクチンの交互接種(生+不活化の組合せ)はできません。

大阪市公式サイト:詳しくはこちらをご確認し、助成に関するご不明点は市にお問い合わせください。

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、水ぼうそうの原因ウイルス(VZV)が体の神経に潜んでいたものが、免疫力の低下などをきっかけに再び活動して起こる病気です。加齢、疲労、強いストレス、病気や薬の影響で免疫が弱まると発症しやすくなります。

発症リスク

最も大きいのは加齢です。80歳までに約3人に1人が経験すると推測され、年齢が上がるほど発症しやすくなります。こうした背景から、日本では50歳以上の方に帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されています。

加齢以外のリスク因子としては、HIV感染などの免疫不全、がん、家族歴、糖尿病、関節リウマチ、心血管疾患、腎疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患などが挙げられます。リウマチ治療などで用いる免疫抑制薬やJAK阻害薬も発症リスクを高めます。該当する病気やお薬がある方は、予防接種の可否や最適な接種時期についてご相談ください。

帯状疱疹の症状

多くは体の片側に、神経の走行(デルマトーム)に一致して発疹が現れます。まず数日間、ピリピリ・チクチクするような違和感や痛み、しびれが先行し、その後同じ場所に赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に出ます。触れるだけで痛みが強まったり、灼けるように感じることがあります。発熱やだるさ、軽い頭痛を伴う場合もあります。水ぶくれは数日で破れてかさぶたになり、通常は2〜4週間で自然に治ります。顔に出たときは、目や耳、口の中にまで水ぶくれが広がり、視力のかすみ、耳の痛み、味覚低下、顔の動かしにくさなどを自覚することがあります。痛みの程度や経過には個人差があり、高齢の方では強く出ることがあります。

帯状疱疹は強い痛みを伴う水泡を生じる皮膚のヘルペスウイルス感染症です
帯状疱疹は強い痛みを伴う水泡を生じる皮膚のヘルペスウイルス感染症です

帯状疱疹の合併症

主な合併症として、皮疹が治っても同じ場所の強い痛みやしびれが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」があります。とくに高齢の方で起こりやすく、10〜50%の方にみられるとの報告があり、長期間にわたり日常生活に影響することがあります。

顔面・眼周囲に生じた場合は角膜炎やぶどう膜炎、急性網膜壊死などの眼合併症によって視力が低下することがあります。眼に発症した場合は失明のリスクもあります。耳の周囲の発症では、顔面神経麻痺や難聴、めまい(ラムゼイ・ハント症候群)を伴うことがあります。まれに髄膜炎・脳炎・脊髄炎などの神経合併症、肺炎や肝機能障害、皮膚の細菌感染、色素沈着や瘢痕が残ることもあります。免疫力が低下している方では発疹が広がりやすく、内臓合併症のリスクも高くなります。発症後しばらくは脳卒中や心筋梗塞のリスクが一時的に高まるという報告もあり、とくに高齢の方は注意が必要です。

シングリックス(帯状疱疹ワクチン)の効果

シングリックスは、帯状疱疹そのものの発症を強力に抑えるとともに、後遺症として問題になる帯状疱疹後神経痛を大きく減らせることが臨床研究で確認されています。50歳以上では発症予防効果が90%以上と高く、70歳以上でも十分な効果が保たれます。さらに、接種後10年以上にわたり高い有効性が続くという長期データも報告されています。

もし発症した場合でも、接種者では痛みが続く期間が短く、鎮痛薬の使用量や使用期間が少なくなる傾向が示されています。生ワクチンと異なり、免疫が低下している方にも原則使用できるため、合併症が心配な方や再発を避けたい方にも有用です。強い予防力、長く続く効果、痛みの後遺症を減らすという三つの点がシングリックスの大きな魅力です。年齢やご病気・治療内容との兼ね合いを踏まえて、最適な接種タイミングをご相談ください。

帯状疱疹は再発することがあり、すでに感染したことがある方も、再発予防の観点からワクチン接種が推奨されます。接種のタイミングは、急性期が収束し皮疹が治癒した後に行うのが一般的で、概ね2~6か月、理想的には1年以内とする考え方が示されています。

帯状疱疹、肺炎球菌はワクチンにより予防することが可能な疾患です
帯状疱疹は、シングリックスワクチンで90%以上の高い確率で予防することができます!

帯状疱疹ワクチンはどちらを選ぶべき?―水痘ワクチンよりシングリックスを勧める理由

帯状疱疹の予防には大きく二つの選択肢があります。ひとつは小児の水痘にも使われる生ワクチンを大人に1回接種する方法、もうひとつは不活化ワクチンのシングリックスを2か月あけて2回接種する方法です。

生ワクチンは1回で完了し、費用も比較的安価(目安:1回約5,000円)です。ただし加齢とともに効果が落ちやすく、数年で予防効果が弱まっていくことが知られています。さらに、生ワクチンは免疫抑制状態の方や妊娠中の方には接種できません。

これに対してシングリックスは、帯状疱疹そのものの発症を強力に抑え、後遺症の帯状疱疹後神経痛(PHN)も大きく減らすことが臨床研究で確認されています。50歳以上で予防効果は90%以上、70歳以上でも高い有効性が保たれやすく、長期の追跡でも効果が持続するデータがあります。生ワクチンではないため、免疫が低下している方にも原則使用できる点も大きな利点です。費用は2回で約4.4万円ですが、得られる予防効果と持続性、PHNの抑制を考えると、総合的な費用対効果に優れます。

以上を踏まえ、当院では効果と持続性、安全性の観点から、原則としてシングリックスをおすすめします。ご年齢、基礎疾患、内服中のお薬、予算や自治体の助成の有無などを考慮し、最適な接種方法とタイミングをご一緒に決めていきます。まずは外来でご相談ください。

FAQ(よくある質問)

Q. インフルエンザや肺炎球菌ワクチンと同時接種できますか?
A. はい、可能です。左右の腕など接種部位を分けて行います。

Q. 接種回数と間隔は?
A. 通常2回で、1回目の2か月後に2回目を摂取します(最長6か月以内です)。

Q. 副反応はどの程度ありますか?
A. 腕の痛み・腫れ、発熱・だるさが数日みられることがありますが、多くは自然に軽快します。

Q. COVID-19ワクチン(新型コロナワクチン)とは同時接種できる?
A. 同時接種が可能です。必ずしも間隔を空ける必要はありません。

Q. どんな人に特に勧めますか?
A. 50歳以上や、神経痛(帯状疱疹後神経痛)を避けたい方に有用です。

参考文献)

・痛い皮膚病~帯状疱疹について~, 浅田秀夫. バムサジャーナル 36(1):10-14, 2024.

・飯田 宏樹.ワクチン接種による帯状疱疹予防の有効性.ペインクリニック.2025;46(3):267-279.

・山田宏貴.総論:プライマリ・ケア医が心得ておくべき成人に対するワクチン.月刊地域医学.2021;35(1):20-24.

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