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健康寿命を延ばすには“運動”がカギ!今こそ始めるリハビリテーション
皆さま、こんにちは。三国ゆう整形外科院長の曽我部です🍀
「人生100年時代」に向けて、「いかに健康で長生きできるか」が一層大切な時代になっています。日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳に達し、国内に住む100歳以上の百寿者は95,119人に上り(2024年9月15日:厚生労働省発表)、過去最多を更新しました。目前に迫る「人生100年時代」には、長い人生をできる限り健康で幸せに過ごすこと、すなわち健康長寿をいかに達成するかが、重要な課題となっています。
健康長寿の秘訣とは?
慶應義塾大学医学部では百寿者(100歳以上の人)を健康長寿のモデルと捉え、その要因解明を目的とした研究を行っています。2014年に設立されたのが、「百寿総合研究センター」です。百寿者研究からみえてきた健康長寿の秘訣は以下の4つです。
① 中高年期から肥満を避け、糖尿病、動脈硬化を予防する
② フレイルと認知症の予防が重要
③ ライフステージに合わせた運動を心掛ける
④ バランスの良い食事を摂る(噛む力の保持にも気を付ける)
肥満、糖尿病、フレイル、認知症の予防が大切だということがわかりますが、いずれも有効な対策はまさに「運動」です。今回のブログでは整形外科医の視点から、運動の大切さ、整形外科リハビリテーションの重要性についてご説明します。
加齢に伴う筋肉の減少がフレイルを引き起こす
フレイルとは、「加齢に伴って筋力や体力、認知機能などが徐々に衰え、要支援・要介護となるリスクが高まる状態」を指します。なかでも、骨格筋量の減少がフレイルの進行に大きく関与しており、通常は加齢とともに筋肉量や筋力は自然に低下してしまいます。さらに、運動不足や閉じこもりがちな生活習慣は、フレイルのリスクを一層高めます。また、フレイルによる歩行速度の低下や握力の低下は、健康寿命の短縮に関連しています。
筋肉量の著しい減少は「サルコペニア」と呼ばれ、これは加齢により進行する骨格筋量および筋力の全身的な低下を特徴とし、運動機能の障害や転倒リスク、QOL(生活の質)の低下、ADL(日常生活動作)の制限などと関連しています。
フレイルとサルコペニアは共通点が多く、特に握力や歩行速度の低下が重要な指標です。これらの状態には、たんぱく質の摂取不足や運動不足といった生活習慣が深く関与しているため、食事療法や運動療法(リハビリテーション)が重要な介入手段となります。
健康に長生きするために運動は欠かせない!
どんなに健康に自信がある人でも、老化は確実に進行します。特に下肢の筋力や歩行機能の低下が初期に現れやすく、移動能力の制限が生活の質に大きく影響します。運動を含む身体活動は、フレイル予防において最も重要な要素です。
85〜95歳の超高齢者を対象とした研究では、近所への買い物や園芸といった日常的な活動が、運動量の増加に有効であることが示されています。加齢とともに活動量は減少する傾向にありますが、自身の体力や身体機能に応じた運動や身体活動を継続することが、健康寿命をのばす助けになります。
認知症の予防のためにも運動は有効!
身体活動(運動)は、高血圧などの生活習慣病リスクの低減に加え、脳のシナプス機能や脳容量の増加、うつ症状の改善、自己効力感の向上、さらには社会的つながりの構築を促進するなど、複数のメカニズムを通じて認知機能の向上に寄与します。
身体活動と認知症リスクに関する疫学研究のメタアナリシスでは、身体活動量が多い群において、全認知症のオッズ比は0.83、アルツハイマー病(AD)は0.87、血管性認知症は0.67と、いずれも「運動による認知症発症リスクの有意な低下」が示されています。また有酸素運動により、正常認知または軽度認知障害(MCI)を有する高齢者の記憶スコアが改善することが確認されています。
さらに、認知機能に障害のない高齢者を対象とした脳画像解析では、歩行速度の低下が海馬容積の減少、全脳容積の縮小、大脳白質病変の増加と関連しており、身体機能の低下が認知症リスクの一因であることが明らかとなりました。
運動と同時にタンパク質を摂取することも大切
フレイルを予防するために大切なことの1つが、タンパク質の摂取です。慶應義塾大学と神奈川県川崎市との共同研究「川崎市における高齢者の暮らしと健康に関する学術調査」では、日常生活において介護を必要としない85~89歳の超高齢者833名の食事摂取を評価した結果、摂取エネルギーに対するタンパク質摂取量の割合が高い群ほど全死亡リスクが低いことが示されました。
頑張って運動をしても、タンパク質が不十分だと筋肉はしっかりつきません。院長は抗加齢医学の専門医であり、知識に基づいた栄養学的な助言を行うこともできます。
運動のきっかけとしてリハビリテーションをご利用ください
あまり運動する習慣がなかった方にとって、日常生活の中に運動を取り入れることは簡単ではありません。三国ゆう整形外科では、楽しんでできるリハビリテーションを通じて、みなさまと一緒に一生元気で生きるためのお手伝いをしています。国家資格を有する理学療法士は、確かな医学的・解剖的知識に基づき、自宅でのできるトレーニング方法を伝授します。リハビリテーションをきっかけに、運動する習慣が身につけば何よりも価値のあることだと考えています。
リハビリテーションをご希望の方は当院にご相談ください。医療保険適応で受けることができます🍀

参考文献:
健康な長寿者はここが違う 百寿者、超百寿者、スーパーセンチナリアンの身体を知る. 新井 康通.
生活介入 (食事・運動) の視点から. 篠原もえ子ら