整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科・骨粗鬆症外来

06-6396-1374
診療時間
9:00~12:30 13:00
まで
× ×
14:45~18:15 × × × ×
                     
  • ※休診日 水曜午後・土曜午後・日曜・祝日
WEB予約 アクセス

BLOG ブログ

2025.08.27 整形外科一般リハビリテーション

足のむくみの原因と治療について

みなさまこんにちは。三国ゆう整形外科の院長の曽我部です。

足がむくむ、腫れているような気がする、だるいという訴えは整形外科の外来でよく聞かれる訴えです。あしがむくんでいると「何か隠れている病気があるんじゃないか?」と心配される方は多く、実際に何らかの疾患が見つかることがあります。その反面、老化や筋力の衰えによっておこるむくみもしばしばみられます。

今回はむくみの原因、その治療について整形外科医の目線から詳しくご説明いたします。

足がむくむ原因にはどのようなものがあるか?

むくみのことを浮腫(ふしゅ)と呼びます。浮腫は大きく分けて、

①なんらかの疾患によって起こる浮腫

②疾患以外の要因で起こる浮腫

に分類されます。このうち疾患による浮腫はさらに 全身が浮腫む「全身性浮腫」からだの一部分のみがむくむ「 局所性浮腫」 に分けられます。

①なんらかの疾患によって起こる浮腫

A.全身性浮腫

1. 腎性浮腫
腎臓が原因で起こる腎性浮腫は 急性糸球体腎炎 と ネフローゼ症候群 に分類されます。急性糸球体腎炎では、腎機能の低下により毛細血管透過性が亢進し、血圧上昇を伴った心不全が引き金となって浮腫が生じます。ネフローゼ症候群では、尿中への蛋白漏出により低蛋白血症をきたし、浮腫が発生します。

2. 心臓性浮腫
心臓性浮腫は うっ血性心不全の際に見られ、特に下腿の浮腫は右心不全に特徴的です。

3. 肝性浮腫
肝硬変などの肝機能障害によりアルブミン合成能が低下すると、血管内に水分を保持できず間質へ水分が漏出します。さらに門脈圧亢進による静脈圧上昇も浮腫の一因となります。肝硬変はアルコール性肝障害、肝炎ウイルスがリスクとなります。

4. 内分泌性浮腫
甲状腺機能低下症による浮腫は、皮下にムコ多糖類とよばれる物質が蓄積して生じる粘液水腫です。高弾性のため、圧迫しても痕が残らない非圧痕性浮腫(non pitting edema)が特徴的です。

5. 栄養障害性浮腫
低栄養状態により低アルブミン血症をきたすと、血漿膠質浸透圧が低下し、血管内から水分が間質に移動して浮腫が発生します。極端なダイエット、高齢者における極度の低栄養などで見られます。

6. 薬剤性浮腫
内服している薬も浮腫みの原因となることがあります。浮腫を引き起こす薬剤としては、ニフェジピンなどの降圧薬、インドメタシン・イブプロフェンなどの鎮痛薬が知られています。インドメタシンは市販の熱さましによく含まれる成分ですが、浮腫みの副作用があることはあまり知られていないように思います。

B.限局性浮腫

1. 静脈性浮腫
長時間の同一姿勢や長期臥床、外的圧迫などによって局所的に静脈還流が障害され、浮腫が発生します。

2. リンパ性浮腫
特に原因がなく生じる先天性リンパ浮腫と、何らかの原因があって生じる二次性リンパ浮腫があります。二次性では、フィラリア感染症による象皮症や、がん治療後のリンパ節郭清などが原因となり、リンパ還流障害から浮腫が生じます。

3. 炎症性浮腫
アレルギーをはじめとする炎症時には、ヒスタミン、プロスタグランジン、ロイコトリエンといった物質(メディエーター)が血管拡張と透過性亢進を引き起こし、浮腫を発生させます。

4. 血管神経性浮腫
遺伝性・後天性のいずれかに分類される比較的稀な浮腫です。補体系・凝固系・キニン系の制御異常により血管透過性が亢進し浮腫が生じます。特にC1-INH欠損や機能低下により、ブラジキニンやアナフィラトキシン(C3a、C5a)が過剰産生され、血管透過性の亢進とともに浮腫が発現します。

② 疾患以外で起こる浮腫

A. 起立性浮腫
長時間の立位や坐位姿勢により、ふくらはぎ筋肉の活動が低下すると、静脈血の還流が阻害され浮腫が生じます。
通常は筋ポンプ作用と静脈弁機能によりうっ血は防がれますが、筋力低下や静脈弁不全により浮腫が起こりやすくなります。

B. 塩分摂取過多による浮腫
高塩分食によりナトリウムが体内に過剰に蓄積され、腎による排泄が追いつかなくなります。
その結果、浸透圧のバランスを保つために細胞外液が増加し、浮腫が発生します。

体の衰えが足のむくみの原因となる!

自宅に閉じこもりがちになったり、座りがちなライフスタイル、車いすでの生活では筋力の衰えによるむくみ(廃用性浮腫といいます)が起こりやすくなります。病気によるものではない浮腫では最も日常的にみられる浮腫です。


松下らの解析では、重力に逆らって血液を心臓に戻す抗重力筋である下腿三頭筋(calf muscle)が衰えると、筋ポンプ作用が弱まり、下肢の廃用性浮腫が起こりやすくなると報告されています。高齢者や活動低下者では特に注意が必要です。

さらに恐ろしいのは、むくみー筋力低下ーサルコペニアには悪循環があるということです。活動不足で筋量低下が起こり、それによってむくみが生じると、それに伴ってさらに可動性が低下し、筋力がさらに低下して


要介護高齢者を対象とした研究では、下腿三頭筋の筋力訓練、ストレッチが浮腫軽減に有効であり、筋力・柔軟性向上が浮腫予防につながることが示されました。国立長寿医療研究センター報告では、「廃用性浮腫」は活動低下に伴う筋ポンプ機能低下に起因するとし、リハビリ(筋力強化+歩行機能の向上)とたんぱく質やミネラル摂取などの栄養指導の併用が浮腫管理に必要とされています。

むくみ対策としてのリハビリのすすめ✊

当院では、サルコペニアに関連した下肢のむくみや歩行機能の低下に対して、専門的なリハビリテーションを提供しています。リハビリでは、ふくらはぎの筋力訓練やストレッチ、姿勢や歩行の指導を通じて、筋ポンプの働きを高めると同時に、転倒や骨折の予防も目指します。

足のむくみが気になる、最近足腰が弱くなったと感じる、歩くとふらつくようになってきた、といった変化は、サルコペニアの初期サインかもしれません。「年のせい」と思ってそのままにせず、早めに対策をとることで、将来の健康と生活の質を守ることができます。

ご自身の足の変化が気になっている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
当院のリハビリテーションを通じて、一人ひとりに合った改善プランをご提案し、無理なく、着実に症状の改善を目指していきます。

参考文献

・月刊『臨牀と研究』第101巻第10号. 日本医事新報社
「浮腫性疾患を極める — 鑑別診断から治療・指導まで —」「高齢者の下腿浮腫」

Information      連絡先

06-6396-1374           

お電話でのご予約はできません。